★編集長からメッセージ
(COURRiER Japon 030) 3/1更新. 

 

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COURRiER Japon 031
03.15/ 2007

特別定価550円
(税込)
3月1日発売・好評発売中!


SPECIAL FEATURES
バブルに沸く美術市場
世界のアート

SPECIAL REPORT

知られざる内幕映画『ブラッド・ダイヤモンド』の世界
ダイヤ・コネクションを追え!


 今回の特集は「世界のアート 知られざる内幕」。美術館ブームに沸く日本ですが、ここ数年、世界ではアート市場が急速に拡大し、バブルに沸いています。落札価格が100億円を超えるものがざらにあります。特集では、アート界を牛耳る実力者ランキングから盗まれた名画を追いかける“アート探偵”まで、美術館で名画鑑賞しているだけでは、見えてこないアートの裏側を紹介します。
 今回、“異色”の中東レポートを掲載しています。危険と隣り合わせのバグダッドで働く郵便配達人に焦点をあてたルポルタージュです。自爆テロの死者の数は毎日のように報道されていますが、バグダッドで暮らす普通の人々の生活は、なかなか伝わってきません。このルポを読んで思い出したのは、知り合いのイラク人、ジャスィムです。2003年12月、私がバグダッドで取材をしているとき、ガイド兼ドライバーを務めてくれた人物です。ムスリムだった32歳の彼には、結婚を約束したカトリックの恋人がいました。しかし当時、二人は自由に会うことも手紙でやりとりすることも出来なかったのです。度重なる空爆のため、郵便そして電話も全く機能していなかったからです。直接、自宅を訪ねるしかないのですが、当時、テロの危険もあって市内を自由に動き回れるような状況ではありませんでした。ジャスィムは、いつも彼女の安否を気遣い、自分たちの置かれている状況を嘆いていました。結婚して早く一緒に暮らしたい、とたびたび話していました。いまから半年前のこと。そのジャスィムがイラクから脱出を図ろうとしているという話を聞き、イラクへ向かう知り合いのカメラマンにわずかですが、お金を託しました。ジャスィムに脱出費用の一部をカンパしたのです。しばらくすると彼からEメールが届きました。きっとバグダッドのインターネットカフェからのものでしょう。「本当にありがとう。どうお礼を言っていいかわからない。お金はいつかきっと返すから……」帰国したカメラマンから、ジャスィムが結婚したことを聞きました。

2月28日 クーリエジャポン編集長 古賀義章
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古賀義章(こがよしあき)プロフィール
1964年、佐賀県生まれ。
編集者。1989年、講談社入社。
週刊現代、フライデーを経て、01年渡仏。
04年、クーリエ・ジャポン編集長に就任し、同誌を立ち上げる。
98年、火山災害をテーマにした写真集「普賢岳OFF LIMITS」(平凡社)、
00年、オウム事件をテーマにした写真集「場所−オウムが棲んだ杜」(晩聲社)を発表。