■北京情報 mail from Beijing#03
未来研の皆様
残暑お見舞い申し上げます。
ここ北京の夏は、15年ぶりに雨の多い記録的に涼しい年だそうです。
オリンピックの屋外競技においてもこの気候が良い記録を生んだ一因になっていると
の観測もあります。
さて、北京オリンピックもいろいろな意味を込めて終わりました。
当初、心配されていたテロや様々な妨害行為もさしたるものはなく、無事に終了した
ことは何よりのことであり中国と中国国民の努力と能力は高く評価され今後の中国の
発展に寄与することは確かだと思います。
胡錦濤主席が見せた開会式での緊張した笑顔と閉会式での安堵の笑顔を見比べただけで、北京オリンピックの意義をお分かりいただけることでしょう。
私は、知人の好意で8月15日(金)の柔道100kg超級決勝戦を観戦できました。ご存知のように日本人の男女の選手が金銀を獲得しました。

表彰式
小生の“君が代”をお聞かせできないのが残念です。
8月15日の終戦記念日に異国の中国においてそれも中国人の演奏で“君が代”を歌えるとは思いもよらぬことでしたがその爽快感は格別でした。
私と同じ応援席には引退した井上康生選手も来ていました。挨拶を交わしましたがとても礼儀の正しい好青年でした。きっと良い指導者になられることでしょう。
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←井上康成さん
応援に来ていた皆さんに挨拶をしていました。
礼儀正しい好青年との印象を深めました。
きっと良い指導者になられることでしょう。 |
日本の皆さんからオリンピックの感想を求められます。この感想は、後ほど述べます
が、その前に、中国の人たちからも北京オリンピックの中国選手の活躍について沢山
感想を求められました。
“中国はアメリカを抜いて金メダルをこれまで最高の51個もとりましたよ!”このように言われた時には、いつも私は次のように答えています。“金メダルの数だけならば、中国の51個は当然でしょう。冷戦時不参加問題のあったモスクワとロサンゼルス後のソウルオリンピックでは、当時のソ連が国威を示してアメリカを抜いて55個の金メダルを獲得していますよ。それに比べれば、開催国の中国は今回60個くらいはいくのではないかと思っていましたよ。” このように答えた後は、彼らは私の前で二度とこのことを口に出さなくなりました。これは、別に彼らとの関係がおかしくなったわけではなく、彼らも私が言った事の意味を分かってくれたくれたのです。しかし、この後には、中国名産酒“白酒−パイチュウ*”の攻撃にさらされ正体不明になるまで帰してもらえませんでした。(*このパイチュウは当時の田中首相が訪中時に周恩来首相から勧められてふらふらになったお酒です。−度数60度前後−中国に来られたならばぜひお試しください。)
それでは、皆さんに対するオリンピックの感想です。
あのギリシャ神話のパンドラは、ヘルメスとの約束を破ってパンドラの箱を開けてしまい、その後、人間に病気、貧困、犯罪等様々な災いが降りかかるようになりました。そして、何とか箱の蓋を閉めたためにくい止めることができたのが未来(将来)でした。
ここまでは、受け売りの知識です。きっと皆さんのほうが詳しいのでさわりだけでお許しください。
北京でオリンピックを目の当たりにしていると、今、中国という国は、この箱を開けてしまったパンドラが置かれた状況かもしれません。オリンピックというパンドラの箱を開けた中国では、貧困格差、犯罪、環境汚染、災害そして国民や国のあり方までもが一挙に噴出して、内外からその対応を問われております。まさに、パンドラが最後に箱に残し留めた“未来-”のありようが今後の中国に求められているのでしょう。
北京で今実感することはこのことです。
今回のオリンピックで中国人は沢山のことを知り学びました。
(1) 一挙にオリンピックの華やかさと外国の豊かさを肌で知った−特に地方の人々に
とっては驚きです。
(2) 犯罪の温床がそれを取り締まる側にもあることを知った
−各種のニュースやインターネットで知る実態の数々
(3) 騒音や埃や排気ガスを少なくし、青い空を取り戻せることを知った
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オリンピック期間中の青空はだれのためか
−車両規制や工事の中止の効果や恩恵があった
(4) 地震や洪水で、他国よりももろい建物である理由を知った
−外国の援助隊の活躍の実態や日本の宮城地震との比較
(5) 知りたい事を教えてもらえなかったことを知った
−外国メディアの情報の直接入手と国内格差
(6) ボランティア活動から真の奉仕の気持ちを学んだ
−奉仕は人々のためであって国や政府のためではない
−服務から奉仕への意義付け-笑顔の大切さ気持ち良さ
(7) 国の命令や指示の中身をよく見るようになった
−特に法律の重要性と実効性について興味と理解を示し、
コネ社会の矛盾を実感した。
(8) 背伸びをしている自分を知った
−礼儀や法令を遵守し真の豊かさについて考えた
(9) 言いたい事、見たい事、やりたい事が沢山あることを知った
−国際協力や国際親善の大切さを肌で感じた
(10) 国の力と威厳と誇りを知った
−国民の団結力を知った。やればできることを知った
−軍や公安警察等の組織力を知った
中国の56の民族と13億の国民を一つにまとめるには、日本以上の苦労と努力が要るのも事実です。日本から見た日本人の感覚で中国を批判することは正しいことではありません。中国で日本のマスコミ報道を見聞きするにつけて、このことを強く感じるのも事実です。
第一回目の投稿でも述べさせていただいたように、日本も44前の東京オリンピックの時には、公害天国と呼ばれるほどのひどい環境でした。それから見れば中国もがんばっているなと思えるのです。東京、ソウルそして北京オリンピックは、同じような問題を抱えながら国の発展を目指してきているのだと思います。
私は、今の中国は、あまり好きではありませんし良いとも思いませんが、日本の国にとっては必要な国であることは確かだと思います。
先日、北京大学を訪問しました。留学担当者に聞いたところ、北京大学の国別留学生
数の多い順は、韓国、アメリカ、そして日本だそうです。この数字の意味するところは複雑で深遠です。又別の機会にこのことに触れてみたいと思います。
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←小宅からの風景
中央のビルが北京で一番高いビルです。右の台形の高いビルは中国国営テレビ(建設中)のビルです。
右後方には薄く山並みも見えます。
北京っ子も、こんなにきれいな空ははじめてと言うほどです。
一度味わったこのすばらしい青い空への国民の欲求は、オリンピック後も政府に求められていくことと思います。そして、この努力は続けられていくことでしょう。
このことが、今回の北京オリンピックの最大の成果だと思います。
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9月6日からは、*パラリンピックが始まります。お陰でまだ青い空と騒音のない北京の日々がしばらく続いてくれます。
*中国語では“残疾人奥林匹克運動会−略して残奥会です“
次回は、皆様にあまり知られていない秋の北京路を紹介したいと思います。
2008年9月1日
再見 スチュアートII |