フランス書店事情 3
文学の薫り高い本屋さん:L’ARBRE A LETTRES

長らくサボってしまいましたが、久々に「フランス書店事情」突撃インタビューに行って参りました。
復帰第1弾は、“L’ARBRE A LETTRES(ラルブル・ア・レットル)”と言う本屋さん。私がよく行く画材屋さんと同じ並びにあるので、時折立ち寄ったりしているのですが、本のセレクションがとても良い感じのお店です(私は主に画集を見たりしているのですが)。
久しぶりの書店レポートだったので、緊張しながら店員のPauline(ポリーヌ)さんに声をかけたところ、「ちょっと待ってね」と責任者の方に電話して快諾して下さいました。


 ↑L’ARBRE A LETTRES外観



 ↑部数限定のオリジナル本
中身も手作り風でとても素敵でした


 ↑作家の顔写真が並ぶショーウィンドー


 ↑明るい配色の店内

●書店名について
“L’ARBRE A LETTRES(ラルブル・ア・レットル)”は直訳すると「手紙の樹」。複数形である“LETTRES”には「文学」という意味もあり、掛詞となっているようです。Olivier LARONDE(オリヴィエ・ラロンド)というフランスの詩人の詩から書店名を付けられたとのこと。

メンバーズカード
同じくパリ市内に、今回訪れたお店の系列店が数点ある模様

6回目の買い物では、5回目までの購入総額の5%を割引してくれるシステムになっています
●扱っている本のジャンルは?
哲学・文芸など人文科学系の本が中心とのことでした。店内を見渡しても格式高い雰囲気。但し、硬い印象を感じさせないお店なので、とても入りやすいように思いました。
整然と本が
並んでいるのに、
どことなく温かい雰囲気
コミック風のショーウィンドーディスプレイ
手前に並んでいた
本の表紙と
マッチしていた写真

●今一番売れている本は?

この本屋さんお薦めの帯が付いた本
現在売れ筋のコーマック・マッカーシーと
お隣は小川洋子さんの「ミーナの行進」

Cormac McCarthy(コーマック・マッカーシー)の”La Route(邦題がわからないのですが、英語では” The Road”)”だそうです。そう言えば、現在パリでは同じ著者原作の“No Country For Old Men”と言う映画が上映されております。

 

 


●お店の特徴や工夫している点は?
と質問したところ、カウンターから持ってきた招待状を手渡してくれながら「本の著者を呼んで、店内で頻繁に講演会をやっているのよ」と答えて下さいました。「誰でも入れるんですか?」と続けてお聞きしたところ、「興味がある人なら、誰でも無料で入れるのよ」とのお返事。確かに、フランス人はこの手のイベントが好きなのではないかと思われます。
他には特にコメントされていなかったのですが、個人的には先述のメンバーズカード(5回の購入総額の5%割引)は大変に魅力的だと感じました。5回という短いタームでの割引なので、リピーターも多いのではないかと思いました。
次回講演会のお知らせ
ハシェット社のお料理本を3冊買うともれなくカバンが当たる!

●日本の本をどう思いますか?
「うちでは日本文学も沢山扱っているのよ」と、日本文学コーナーに案内して下さいました。そこで写真を撮っていると「これも日本の本よ」と、店内のあちこちからジャンジャン日本関係や日本人作家の本を持ってきて下さいました。
あまりにも一生懸命本を探して持ってきて下さったので、大変に恐縮してしまいました。ポリーヌさん御自身も、繊細さと大胆さを併せ持った日本文学が好きなのだそうです。


↑着物の本

↑次々持ってきて下さった日本文学

↑漱石さんも三島さんも…
振り向けば日本の本が山積み

日本文学コーナー
↑おそらく、三浦清宏「長男の出家」
ではないかと思われます。
この本も、とても良く売れて
いるんだそうです。
↑村上2氏は、パリでは大人気
どこの本屋さんでもお見かけします
↑江戸川乱歩 久々に読んでみたくなりました

今回は、ポリーヌさんのご協力のお陰で、フランスの書店に対するイメージがますますアップ。お忙しそうだったので御本人の写真撮影は憚られたのですが、笑顔がとてもキュートで、本当に親切な店員さんでした!

今回の書店: L’ARBRE A LETTRES
33/35, boulevard du Temple
75003 Paris FRANCE
Tel: 01 48 04 76 52
URL: www.arbrealettres.com
営業時間:月〜土曜日 10:00〜20:00
金曜日のみ 10 :00〜21 :00
日・祭日定休
 

2008年2月16日  荒木 芳栄