2005.December

■フランス情報 mail from France #11

年末
明日はクリスマスだというのに、今週も地味…。
22日は、年末恒例となった就労者用の健康診断に行ってきました。
他の時期にもやっていると思うのですが、呼び出されるのは日時指定で毎年何故か年末。パリ市内のAssociation Medicale Interenterprisesという、労働省管轄の機関に行って参りました。

受付の後、名前を呼ばれ、個室で視力検査。初年度は身長・体重・尿検査等もあったのですが、今回で3回目だからか全部省略。
視力検査は、遠くのアルファベットを読む近視の検査と、手元の小さな文字の文章を読む老眼検査の2タイプ。今回は全く問題なかったのですが、初めて受診に来た年は、老眼検査の文章の単語が読まれず、向かいに座っていた検査官に「ものすごく良く見えているんですけど、読めないんです」と言い訳しながら続行しました。

その後は問診と聴診。
こちらも初回の問診の時は、担当のフランス人の女医さんから「日本のどこから来たの?」と聞かれ、「福井です」と答えると、「あら、私の彼と同じ名前ね」と全く予想外のことを言われ驚きました。「…あり得ない…もしかして日本人?」と思いながらも「いいお名前ですね」と適当な返事を返した記憶が…。

1年に1回の検査ですが、さすがに3年目ともなると何となく慣れてきて、今回は健康診断と言っても所要時間約15分。往復に費やした時間の方がうんと長く、加えて、これで身体の異常が見つかったら奇跡的だと思いながら受診証明書のような紙をもらって帰りました。

23日には、年末の旅行でスペインに向かう大学時代の友人一家が、パリに立ち寄ってくれました。「遊びに来てね」と言っても、なかなか来られる人がいないので、久々の友人の来訪、本当にうれしく思いました。

今日は終日、銅版画のアトリエで作業。クリスマスイブなので、来るのは私ぐらいかと思いきや、結構人がいたので驚きでした。
帰りはサン・ジェルマン・デ・プレ教会のミサを覗いてきました。…が、長そうだったので途中で退出。ノートルダム寺院にも行ってみようと思って足を運んだところ、こちらは教会の外に長蛇の列。あきらめて帰宅しました。


サン・ジェルマン・デ・プレ教会のクリスマスミサの紙

フランスでは、クリスマスは家族で祝うものらしいです。日本と逆で、大晦日や新年は恋人や友人と過ごすのだと、フランス人の友人が言っていました。

私の場合は、フランスに身寄りがないので、この時期になると田舎に住んでいるフランス人の友人が心配して毎年必ず連絡をくれます。今年も2週間ほど前に「クリスマスはウチに遊びにおいで」という電話をくれたのですが、彼女の家はパリからいろんな乗り物を乗り継いで6〜7時間はかかる遠方のため、週末しか時間の取れない今回は断念することにしました。(越境するものの、先月訪問したベルギーのブリュッセルはパリから約1時間半。国外なのに、はるかに近い…)

2年前にはその友人宅に、クリスマスを挟んで1週間滞在させてもらいました。その時に初めて体験したフランス人のクリスマスの過ごし方をザッと…。

24日のクリスマスイブの夕方、彼女の実家に行くと家族全員大集合。軽く飲んだりしながらプレゼント交換をし、夜の11時半頃、村の教会の深夜ミサに全員で出席しました。1時間ほどのミサの後、再び実家に集まりキリスト生誕のお祝いパーティーをしました。食事内容までは残念ながら記憶にないのですが、すごいご馳走で最後に消化用のお酒をもらったほど食べたのは覚えております。深夜すぎから始まったパーティーなので、お開きも明け方。
翌25日は、みんな昼頃まで眠り、夕方までゆっくりした後それぞれの家に散っていきました。


友人宅でのクリスマスディナーの様子

…と言う訳で、2年前の話で申し訳ないのですが、フランスのクリスマスは通常このような流れのようです。ミサも深夜に行くのが正式らしいのですが、小さな子供がいる家庭等のため、夕方にもクリスマスのミサを行う教会が多いようなことを本日のニュースで報道していました。


かろうじて写真に写っていた、
友人母の手作りクリスマスケーキ

今年は明日、日本人の友人宅でのパーティーに参加して参ります。



友人の家の窓から見えたフランス・アルプスの一部
皆様どうぞ良いお年をお迎え下さい。
2006年も何卒宜しくお願い申し上げます。

2005年12月24日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #10

アルバイト
師走のせいか、今週は私も、サメか回遊魚の如くウロウロしておりました。
…にも関わらず、特記に値するようなメインイベントがなかったので、今回はアルバイトのお話。

以前もちょっぴり触れさせて頂きましたが、現在、私はエッフェル塔近くの日本料理店でアルバイトさせて頂いております。夜だけ営業しているお店なので、勤務時間も夕方から深夜。客層は、日本人駐在員さんや地元のフランス人、諸外国からの観光客などバラバラですが、割と格の高いお店だからか、人種によらず雰囲気の良いお客様がほとんどです。

本日は、アルバイト先の仏人客を対応して気付いた日仏食文化のビビたる違いをご紹介。

●「スープ・ドゥ・ミソ(みそ汁)から持ってきて」と言われる
フランス料理には「前菜→メイン→デザート」と言った順番があるためか、「みそ汁から持ってきて。次は…」と順番を指定されることが多々(日本料理にも順番があったりしますが、それとはまた異なるフランス流の順番)。
1〜2人なら良いのですが、ファミリー単位でバラバラに注文を受けた後、全部並べ替えさせられたりするのは非常に難儀…。
「出来た物からでいいよ」と言ってくれる人もいますが、基本的にフランス人は「三角食い」はしないようなので1品ずつ。加えて、「自分の料理は自分の物」という感じで、味見はしても分け合って食べたりはしないようです。

●ごはんに醤油をかける
ソースこてこてのフランス料理に慣れているせいか、かなりの人がごはんに醤油をかけまくって食べてます。
どうやらフランス人は淡泊な味が苦手な様子。それにしても、塩分摂りすぎかと…。

●カツオ節に驚く
「カツオ節」を見たことがない人は、醤油をかけると動き出すので驚くようです。意外な発見。驚かれる前に、何物か説明しています。

●緑茶に砂糖を入れる
初めて目にした時は衝撃的でした。が、お店のスタッフから「フランス人にとったら緑茶は紅茶のような物」と聞き納得。しかしながら、未だに緑茶に砂糖という邪道な行為には慣れず…(砂糖を入れない正統派が多数ですが)。

●長い…
フランス人は、総じて滞在時間が長い…。
最後に一組だけ残ったりしても、周囲を気にすることなくのーんびり。
このため最終メトロ(終電)を逃したことも数知れず(決して文句を言っている訳ではありません。念のため)。

と、思いつくまま列挙してみました。
ただし、フランス人でも和食に精通している人や日本通の人が時折存在していたりするので、日頃から心して仕事をせねば…と思うのであります。
アルバイトも間もなく勤続3年。
私にとって、いろんな意味で貴重な人生経験の場となっております。


今週のスケッチ(ヴォージュ広場:パリ)
先日、同じアトリエのフランス人年配マダムに誘われ、
パリ市内のスケッチに行きました。
寒い日だったので、ポケットに入れていた「使い捨てカイロ」をあげたら、
すこぶる感激され質問攻めにあいました
(フランスには売っていないので…)



メリークリスマス!!
楽しいクリスマスをお過ごし下さい!!

2005年12月18日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #9

展覧会 & パリのショーウィンドー
12月7日、「VIENNE 1900(ウィーン1900)」という展覧会に行ってきました。
クリムト、シーレ、ココシュカ、モーザーという、19世紀末から20世紀初めのウィーンで活躍した「セセッション(ウィーン分離派)」の豪華4人の画家展。「セセッション」というのは、それまでのアカデミックで保守的な体制から「分離」した派閥です。クリムトは、その後内部対立で「分離派」からも分離したみたいですが…。

どうしても観たくて行ったものの、長蛇の列…。
パリではオルセー美術館あたりもかなり混雑しています(ルーブル美術館は、あまり苦労して入館した記憶がないのですが。ただ、とてつもなく大きいので、じっくり観ようと思ったら1日や2日では回り切れません)。
…が、オルセー・ルーブル以上に長時間待ちを覚悟して臨まなければならないのが、人気のある特別展。以前、ボッティチェリ展やモディリアニ展に行った時なども、かなり待ちました。

今回の展覧会はシャンゼリゼにある「グラン・パレ」という会場で開催されていたのですが、12月の寒空のもと、1時間待ちでようやく入場できました。
会場によっては、やや割高になるもののインターネットで入場予約もできるようなので、時間がない場合や待つのがイヤな場合は利用した方が良いシステムです。

1時間待った甲斐があって、作品内容も感涙ものでした(個人的に、シーレが大好きなので…)。幸せな気分で約4時間作品を鑑賞し、グラン・パレを後にしました。


「ウィーン1900」パンフレットの表紙の模写


会場内の作品クロッキー

ついでに、ギャラリーラファイエットやプランタン(共に、パリで有名なデパートです)のショーウィンドーやイルミネーションの写真を撮って参りました。
何だか得体の知れない物になりましたが、「ウィーン1900」のクロッキーと合わせてどうぞ。


パリのショーウィンドーとイルミネーション


「くつした万歳!!」
テレビでサッカー観戦をしている靴下。
同士の靴下チームがゴールを決めると「くつした万歳!!」と大喜び。
かわいい!
  デパートのショーウィンドーは、この手の動くディスプレイが多いです。 
子供用の台も設置されていて、みんなウィンドーにへばり付いて見ています。

2005年12月10日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #8

ワイン見本市
私事ではありますが、夜はエッフェル塔近くの日本料理屋店でアルバイトをしております。
アルバイトの件はまた別の機会にご報告するとして、11月26日の土曜日、アルバイト先のスタッフが、そのお友達のフランス人数人と共にワインの見本市に連れて行ってくれました。

パリ南西のPORTE DE VERSAILLES(ポルト・ドゥ・ヴェルサイユ)と言う所に大きな展示会場があり、そこでは車や眼鏡・チョコレートなど、様々な展示会を年がら年中やっています。
今回同行させて頂いたワインの見本市も同じ会場。
お店のスタッフはワインの仕入れが目的ですが、私はただの見学者。ワインの試飲を楽しみにくっついて行きました。

会場に入ると、招待券と引き換えに試飲用のグラスがもらえます(グラスは持って帰れます。招待券がない場合は入場料が必要なようですが、リサーチ不足で料金等詳細不明です…)。


ワイン見本市でもらったグラス

2階建ての会場で、おそるべし広さ。加えて、おそるべし人混み。バーゲン会場にでもやって来たような雰囲気でした。
中には約1000件のワイン業者のブースがあり、アルコールの臭いがプンプン。おまけに、ブースはボルドー、ブルゴーニュ、アルザスなど産地バラバラであちこちに散在。好きな銘柄か目的でもない限り、どう動いたら良いか途方に暮れそうな感じでした。
気に入ったブースで自分のグラスを差し出すと、試飲してみたいワインを注いでくれます。ブースの下にはバケツが置いてあるので、無理して全部飲まなくても大丈夫(時折、急性アルコール中毒で運ばれる人がいるそうです)。グラスに残ったワインは捨てられるようになっています。

会場内でサンドイッチも買ってもらい(フランスのサンドイッチはフランスパンに具が挟んであるのでボリューム満点!難点は、やや食べにくい事でしょうか…)、私は約3時間飲み食いしながらワインの仕入れを見学し、その後ほろ酔い気分で帰路に就きました。


会場のクロッキー

パリに来る前はワインの知識など皆無でしたが、アルバイトのおかげでフランスワインなら有名どころは少しだけわかるようになり、ソムリエナイフ(ソムリエがワインを開封する際に使用するナイフです)も使えるようになりました。
でも、やっぱりワインは奥が深い!

2005年12月3日
荒木 芳栄