■フランス情報 mail from France #51
DALIDA(ダリダ)
先日、パリのモンマルトルにあるPLACE DALIDA(ダリダ広場)という所でスケッチをしました。とても小さな広場で、LAMARCK CAULAINCOURT(ラマルク コーランクール)というメトロの駅から徒歩約5分。広場には、フランスで大成功を納めたシャンソン歌手ダリダの胸像が置かれています。
1933年にエジプトのカイロで生まれたイタリア系移民のダリダは、歌手として一世を風靡しただけではなく(本格デビュー曲「BAMBINO(バンビーノ)」など、なかなか良いです!)、フランスに渡る前にはミスエジプトに選ばれたほどの美貌の持ち主。「才能があって、こんなに美人だったら人生バラ色だろうなぁー」と思うのですが、実生活は大変孤独で不幸だったようです。1987年に、”Pardonnez-moi, la vie m’est insupportable(許して下さい、人生はつらすぎる)”という言葉を残し、睡眠薬を呷って自ら人生の幕を閉じています。

ダリダ広場からサクレ・クール聖堂をスケッチしてみました
このダリダの名前を聞く度、どういう訳か私がセットで思い浮かべるのが「ダミア」というシャンソン歌手。おそらく名前が類似しているからだと思うのですが、子供の頃に見たダミアの「暗い日曜日」というEP盤のレコードジャケットがいつも反射的に脳裏をよぎります。音楽自体の記憶は全くないのですが、かなり曰く付きのシャンソンで、私の場合はその時に聞いた曲の説明とレコートジャケットのイメージが未だ風化せず記憶の中に残っています。
雑音の混じったレトロなシャンソンを聴き、窓から鉛色のパリの空を眺めていると、風土と音楽って大いに関係があると改めて感じます。
2006年12月11日
荒木 芳栄 |