2006.June

■フランス情報 mail from France #35

今週のイベント
音楽祭
フランスでは6月21日、夏至のこの日は毎年恒例の「音楽祭(Fete de la musique フェット・ドゥ・ラ・ミュージック)」。
何でも、1982年に開催されて、今年で25周年を迎えるのだとか。
この日だけは誰でも自由に町中で演奏が出来るので(通常は許可が必要なようです)、パリの町はストリートミュージシャンから正規のコンサートまで、様々なジャンルの音楽でとっても賑やかになります。カフェなどでも、あちこちでライブやコンサートを行っており、夜遅くまで町中大騒ぎ。しかも、騒ぎ方がハンパじゃないので、やはりラテンの血だなぁーと思います。メトロの駅では、各所で行われるコンサートガイドも無料配布しているので、それを見ながらコンサートのハシゴをすることも可能です。

 
当日メトロの駅で配布していた
コンサートガイド
 
メトロの駅構内に置いてある無料のシティマガジン(毎週月曜日発行)


シティマガジンに掲載されていたコンサートのプログラム(一部)

ゲイパレード
6月の最終土曜日、パリでは、こちらも恒例の「ゲイパレード」というパレードが行われます。文字通り、ゲイのパレード。残念ながら、私は未だ見る機会に恵まれていないのですが、見た人の話によるとかなりスゴイものらしい…。パレード参加者のコスチュームもすごければ、盛り上がり方もすごいそうです。
日本では目にすることが出来ないようなパレードらしいので、来年こそは…と思っているのですが…。

パリでは、こういった一連のイベントで大騒ぎした後、みんなバカンスで方々に散っていくのであります。

2006年6月25日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #34

ZEN
パリは、気持ちが良い季節になって参りました(かなり暑い日もありますが…)。
日没も22時頃(ちなみに日出は現在5時40分頃)。日も長く、一日を十二分に使える感じでうれしいです。
…と、こんな日が続いているにも関わらず、先週までは個展準備のため連日自宅で過ごし、今週からは個展のためギャラリー通いの毎日です。

ギャラリーにいる間は、見に来て下さった方とお話しするか、本を読むかの二者択一。選択肢が限られているので、逆にゆったりした時間を過ごしています。


良寛禅師の詩です

今回は、日本の文化機関で、「禅」に関する版画の個展を開催しております。会場は、人の出入りがほとんど途切れず(他にもいろいろな催しや教室をやっていることもあり…)、禅や作品についての質問を受けることも多々あります。

フランスでも「禅」は「ZEN」として辞書にも載っている言葉ですが、どちらかというと宗教としてではなく哲学として捉えている人が多いように思います。という私も、実家は浄土真宗。日本で禅寺に勤務していた頃も改宗していた訳ではなかったので、禅の持つ東洋哲学にとても惹かれていたように思います。

個展会場に足を運んでくれる人の中には、日本人は元より、フランス人でもかなり日本文化に精通している人がいます。「禅語」などに関しては、個人的にある程度馴染みがあり説明出来るものもあるのですが、仏教の流れそのものなどについて聞かれるとお手上げ状態。宗教のみならず、日本の歴史や文化、政治についても知らないことばかり。
外国暮らしを始めて、一番恥ずかしいと思っているのは、「自国のことに無知」だという事かもしれません(「自国」以外については論外です…)。ものを知っているというのは力だなぁと思います。一人でいろんな事をやり始めて、知らないと判断出来ない事が多いことを痛切に感じています。

必要にせまられることも手伝って、知識欲も旺盛になり始めた今日この頃。
「秋の夜長」ではありませんが、「パリの日長」を有効利用し、少しでも読書に励みたいと思っています。。


「日々是好日」

2006年6月18日
荒木 芳栄
今から、ワールドカップ日本−クロアチア戦を観なくては…。


■フランス情報 mail from France #33

パリのアパート事情
お恥ずかしながら、私は日本にいた頃「一人暮らし」というものをほとんど体験したことがなく(大学時代、女子寮のような下宿にいましたが…)、パリに来て初めて本格的な「一人暮らし」を始めることになりました。

日本を発つ前は、夢のように優雅な「パリのアパート暮らし」を思い描いていましたが、やはり現実は厳しい…。

まず、パリはアパート探し自体が困難を極めるのであります。
日本で言う「賃貸情報誌」のようなものも売っているのですが、発売日に電話しても「もう入居者が決まっている」と断られること多々。
手頃な家賃で(と言っても、やはりパリは高い…)良さそうな物件は、すこぶる競争率が高く、更に外国人で保証人のいない学生ともなると、家主さんにとっては最下位のランキング。

私の場合は、たまたま日本語新聞で見つけた物件に入居出来たのですが、それ以前に電話したりした情報誌や個人のアパート広告は全滅でした。

アパートの建物も古いものが多く、設備面(特に水回り)から環境面(騒音など)まで、トラブルの話もよく聞きます。夜中にシャワーやお風呂の使用を控えるのも、パリの一般的なアパートでは暗黙のルール。パーティー等で騒いだりするときは、張り紙をして予めご近所に知らせたりします。

幸い、ウチのアパートは割とマナーの良い人が多いようで、今の所何の問題もなく安心して暮らしています。
同じアパートの住人とは、普段は挨拶程度の会話しかしないのですが、2階下に住んでいる古切手コレクターのおじいちゃんには、時折日本の古切手を届けに行ったり…と、不思議なご近所付き合いもしています。

パリのアパートは当たりはずれが激しそうですが、ご近所が良い人ならば、とりあえず快適なワンダーランドです。


我が家のベランダから…

2006年6月11日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #32

海外で思うこと
6月14日から、日本の文化機関で「禅」をテーマにした版画展を開催させて頂くことになりました。


会場の広報担当の方が作って下さった版画展PR文
(私的な物でゴメンナサイ…)

そこで、版画用の額が30点ほど必要になったのですが、パリ市内の額縁屋さんで売っているものを買い揃えると著しく予算オーバー。パリ郊外で目をつけているお店があるものの、車がないとどうしても行けない…。「日は迫ってきているし、困ったなぁ…」と途方に暮れていると、友人ベアトリスと彼女のお父さんが助け船を出して下さいました。昨日一日を私の版画額購入のために空けてくれた上に、車で往復2時間ほどかかる郊外のお店まで連れて行って下さいました。


EspaceJapon個展 十牛図6
「禅」をテーマにした版画展展示作品の一部

パリに来てから、本当にいろいろな人に助けられて生活していると痛感しています。もちろん、日本にいた時も沢山の方々に散々お世話になってきた訳ですが、こちらにいると日本の生活よりはるかに不自由なことが多く、近くに身寄りもいないため、人から受ける親切の有り難みが、更にダイレクトに感じられるようになりました。
日本にいた頃は、恵まれた環境を当たり前のように思ったりしていた部分があったので、今更ながら反省したりしています。

物質的にも、日本で普通に洋服や靴を買ったりしていた生活とは打って変わって、必要以外の物は頻繁に買えないようなレベルダウンした生活になりましたが、それはそれで自分に次の行動を起こさせる原動力になっているような気がしています。ついでに、ある物を大切に使うようにもなったので、シンプルな生活も良いものだと思えるようになってきました。


EspaceJapon個展 版画(抽象2)
「禅」をテーマにした版画展展示作品の一部

「海外」という生活環境は否応なく様々な試練を与えてくれますが、同時に、日々何とか生きているという充足感も味わっています。最も、日本にいてもいろいろな事が起こるので、意識して生活していれば同じことなのかも知れませんが…。

手探りの連続ですが、とりあえず今は、現状況で出来ることをやって行こうと思う毎日です。


EspaceJapon個展 色即是空
「禅」をテーマにした版画展展示作品の一部

2006年6月5日
荒木 芳栄