2007.April

■フランス情報 mail from France #71

デジュネ(昼食)
5月1日はメーデー。フランスでは法定祝日で、おまけに今年は火曜日にあたるため、ポン(Pont:橋)と言って月曜日もついでにお休みにするところが多いようです。今週から仕事が再開したアルバイト先のアトリエも「ポン」で土曜日から4連休。久々にゆっくりした休日を過ごしています。

4月のパリはほとんど雨が降らず、特に中旬以降は日中の最高気温も25〜30度の夏日続きでした。マロニエやリラの花をあちこちで見かけ、日出が6時半頃、日没が21時頃…と日も長く、夏好きの私としては非常にうれしいのですが、この時期異例の暑さは、地球規模でみると決してよくないのだろうと思います。

そんな気候が続いたので、今週はアルバイト先のアトリエの昼食で、日本の夏の風物詩・冷やし中華風の「そうめん」を作ってみました。
私がアルバイトに行っているアトリエは、毎日フランス人のオーナーとイタリア人の奥さんが厚意で昼食を作ってくれます。スタッフは御夫妻を入れて現在5人。平日10時〜19時までの勤務なのですが、そのうちの13時頃〜15時頃までが昼食時間です。おまけに御夫妻ともども大変料理上手で、毎日「A Table!(ア ターブル!:ごはんだよ!)」と呼ばれるのがとても楽しみです。
お天気の良い日は外のテラスで、雨の日は室内の食堂でワインやビールを飲みながら、パスタやリゾット、肉料理やサラダに加えコーヒーやデザートなどなど…フランスとイタリアの家庭料理をみんなで御馳走になっています。たとえ仕事の納期が迫っていても慌てず昼食時間はしっかり取るので、「さすがラテンの国だ…」と思います。

連日、あまりにもきちんとした昼食を無償で提供して下さるので、働いている私達も時々交代で昼食を作るようになりました。
今回の「そうめん」もナカナカ好評だったのと、とても温かい職場で何を作っても全員喜んで食べてくれるため、この機会を利用して是非お料理の勉強もしてみようと思っています。

2007年4月29日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #70

オークション
先週まで個展をさせて頂いていたギャラリーのオーナーから、「作品をオークションに出品してみないか?」と言う話を持ちかけられました。

今年の9月に、DROUOT(ドルオー)というオペラ座近くにある公共競売所で「スピリチュアル・アート」のオークションが予定されているとかで、たまたま今回お世話になったギャラリーのオーナーがそのオークションの運営関係者。

「オークション」という言葉は勿論知っていましたが、今まで売り手にも買い手にもなった経験がないので、私にとっては全く未知の世界。オーナーによると、「現役で活躍しているアーティストの中には、第三者に値踏みされたり、安値で落札されたりするのを嫌がってオークションには見向きもしない人もいる」そうです。私の場合は現役であっても活躍していると言うレベルからは程遠く、おまけにオークションに見向きもしないどころか、自分にそんな選択肢があるとは思ってもいなかったので、是非是非チャレンジさせてもらうことにしました。

と言う訳でお請けしたものの、渡された出品要項の解読も準備も結構大変でした。競売カタログ用に自分の経歴や顔写真、出品作品の写真や詳細等をパソコン入力したCDを準備せねばならず、しかも今回のオークションはCD提出後にカタログ用の作品選考もある模様。


↑ドルオー公共競売所

ところで、この「ドルオー公共競売所」ですが、“OVNI(オヴニー)”というパリの日本語新聞最新号で発見した記事によると、「世界最古の公共競売所」らしいです。「月〜土曜日 11:00〜18:00まで 競売会場の見学無料」で、40ユーロで競売の歴史を学べる1日講座を始め、様々なアートに関する講座なども用意されていると書いてありました。
オーナーからも「自由に入れるし、面白いものが一杯あるから一度見てきたら?」と勧められたので、昨日早速足を運んでみたのですが残念ながら臨時休業…。その上「世界最古」という4文字が脳にインプットされていたので、石造りで崩れ落ちそうな建物をイメージしワクワクしながら行ってみたのですが、予想に反して外観は非常にモダン…。

結局、中に入ることが出来なかったので内部は謎なのですが、是非再訪してみようと思っています。

ドルオー公共競売所:
L’HOTEL DROUOT
9 Rue Drouot 75009 Paris

2007年4月22日
荒木 芳栄

P.S.:今日4月22日は、フランス大統領選第1回目の投票日。
ここの所、誰と話していても選挙の話題になることが多かったのですが、1回目投票の候補者は全部で12名。そのうち、ニコラ・サルコジ、セゴレーヌ・ロワイヤル、フランソワ・バイルーの3名が最有力候補と言われています。決選投票は5月6日ですが、まず今日1回目の開票結果に興味津々です。


■フランス情報 mail from France #69

歯科
一昨日、歯医者さんに行ってきました。久しく歯科に行っていなかった事もあり、知人の紹介で「コントロール」と呼ばれる検診を受けに行ってみたのですが、日本の歯医者さんとえらく勝手が違って始終ドキドキでした。

予約を取って、昼頃向かった歯科はアパートの一室(…と言っても、かなり大きい)。待合室で置いてあった雑誌をペラペラめくりながら待っていると、担当の先生が自己紹介しに現れました。30代と思しき、かなり良い感じのステキな先生なのですが、診察室での問診と検診では専門用語が混じって何を言われているのか半分くらい意味不明…。

結局、「検査用のレントゲンを撮ってから、もう一度話をしましょう」という事になったのですが、レントゲンはそれ専門の診察室に予約を取ってから行くよう指示され、レントゲン専門医の住所・電話番号等と撮影部位を書いた書類を渡されました(面倒臭い…)。診察を受けた歯科のご近所だったので、「電話するより…」と思い、その足で直接予約を入れに向かったのですが、ちょうど昼休み中。が、たまたまインターホンで用件を伝えると、事務所にいた先生ご本人が快く対応して下さいました。

歯医者さんの待合室

歯科の先生から渡された書類を見せ、「予約を入れに来たんです」と言うと、「明日から復活祭のバカンスでお休みになるから、再来週になってもいい?」と言うお返事。えらくのんびりしているなーと返答に困っていたら、「あっ、今日の17時半なら空いているけど大丈夫?」と言われたので即座にお願いしました。

予約時間に再訪し、レントゲンを撮ってもらった後支払いに行くと、事務のお姉さんから「レントゲンの受け渡しは再来週になります」との一言。やっぱりのんびり…。

余談ですが、フランスの場合、医療費に関しては一旦自分で全額支払って、後から医療保険でカバーされる分が小切手で返金されるというシステムです。ただし、返金手続きは本人がやらねばならないので結構面倒。医療保険は、任意で100%カバーされるものにも加入出来るのですが、国の医療保険でも診察費の70%がカバーされるので、私にとっては十分かな…という感じです。

…と言う訳で、日仏医療システムの違いを体験した貴重な一日となりました。
と同時に、今後どんな展開になるのか、ちょっぴり不安に思っているところです。

2007年4月15日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #68

コルシカ料理
今日4月8日は復活祭。明日の月曜日もフランスは祝日です(ただし、復活祭は移動祝日なので毎年日が変わるようです)。
パリは、ここの所とても暖かくお天気の日が続いているので、市内を散歩するにもちょっと遠出してみるにもこの連休はきっと打って付けだと思います。

…と、こんな事を書きながら、現在個展会期中の私は家とギャラリーを往復の毎日。今週末も家の雑事に追われるモノトーンな日々を送っています。
そんな生活の中で、個展に来てくれた友人と最近2回も足を運んだのが、ギャラリー近くにある“Hall 1900”というコルシカ料理のビストロ(予約しなくても入れます)。ポンピドゥーセンターからも徒歩2〜3分ぐらいの距離で、店員さんもとても親切。席に着くと、英語のメニューかフランス語のメニューのどちらが良いかまず聞いてくれます。内容がわからない料理も、質問すると丁寧に教えてくれました。

2回とも、友人と最初にコルシカ赤ワインを注文し、初回は肉料理、2回目は野菜を挟んだラザーニャ風の料理を頼んだのですが(双方名前を覚えていなくて…リサーチ不足ですみません…)、いずれも重たそうな素材の割には食べやすく、締めくくりのコーヒーで大満足という感じでした。
お値段もリーズナブル。しかも年中無休で7:00AM〜2:00AMまで開店しているようなので、御旅行等で機会があれば是非どうぞ。

Hall 1900
64, Rue Rambuteau 75003 Paris
Tel: 01 48 87 58 67 Fax: 01 44 78 07 55

2007年4月8日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #67

棟方志功展
先日、パリの日本文化会館で開催されている「棟方志功展」に行って参りました。作品は全て大原美術館のコレクションで、入口付近に展示されていた「二菩薩 釈迦十大弟子板画柵」などはやはり圧巻。ダイナミックな構図や色彩豊かで見事な作品の数々に胸が熱くなりました。

私が入館した時、会場内にはフランス人が多かったのですが、作品解説パネルを熱心にコピーしている学生風の女の子や、屏風の裏をのぞき込んでいる老夫婦など、作品に関心の高そうな鑑賞者が多くちょっぴりうれしくなりました。


↑日本文化会館「棟方志功展」の図録表紙です

棟方志功氏は個人的に大好きな作家の一人で、お名前を聞く度、4年半前ちょうど渡仏する飛行機の中で「板極道」という氏の自伝を読んでいたのを思い出します。私にとっては渡仏当時の状況や初心を思い起こさせる大切な本なのですが、現在はそれに加え、その創作にかける情熱や版画道への揺るぎない心念に改めて敬意を払うようになり、時折本を再読したりしています。

そんな事もあって、今回の展覧会を終了間際(4月7日までです)に鑑賞することが出来とてもうれしく思っています。「これは是非友達にも…」と思い、日本文化会館関係者ではありませんが、日本人は元よりフランス人の友人にも会う機会があればおススメしPRに励んでいます。

2007年4月2日
荒木 芳栄