2007.May

■フランス情報 mail from France #75

ROLAND GARROS(ローラン・ギャロス)
今日5月27日から6月10日まで、全仏オープンテニス「ローラン・ギャロス」が開催されます。テニスの4大国際大会の1つでもある「ローラン・ギャロス」ですが、この会場名は世界で初めて地中海横断飛行に成功し、第一次大戦中のエースパイロットでもあったフランスの飛行家に因んだものらしいです。

会場見取り図
5月11日 まだ閑散とした感じ

5月15日 コンテナが
どんどん運び込まれていました
5月15日 
今まで見かけたことの
なかった赤い制服を着た
係員さんらしき人も登場


5月21日 周辺の工事や整備が急ピッチで行われていました。

ところで、私がアルバイトしているアトリエは、このローラン・ギャロスのご近所。今月に入ってからは、テレビ局などの取材用機材を保管しておくコンテナ(と、友達が説明してくれました)がクレーンで会場内に積まれたり、道路整備や会場までのシャトルバスの停留所が増設されたり…と、外側から見ても日に日に準備が整っていく様子が観察されました。

2004年には、私も初めてローラン・ギャロスに足を運び、セレナ・ウィリアムスやディメンティエワ、モーレスモなど女子の準々決勝の試合を見学しました。3年後、こんなに足繁くこの辺に通うことになろうとは当時夢にも思いませんでしたが…。

5月25日 開幕2日前
5月25日 
予選が始まっているようで、
賑やかになってきました

5月25日 各種メディアの車もいっぱい
5月25日 
通りに置かれてあったカメラ

期間中は周辺がとても賑やかになり、アトリエ内にいても「ポーン」というテニスの球を打つ音や、「ワーッ」という歓声が聞こえてくるらしいので、明日からの仕事がちょっと楽しみです。

2007年5月27日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #74

ニューヨークフィル
16日水曜日の夜、シャンゼリゼ劇場にニューヨークフィルのコンサートを聴きに行ってきました。
20時に開演したコンサートは、ブラームスの交響曲第一番から始まり、休憩を挟んでストラヴィンスキー、ラヴェル…と、とっても良いプログラムでした。

友人がチケットを取ってくれたのですが、天井近くの初めて座るボックス席。
自分のボックス番号付近に行くと、係員さんがボックスの入口扉の鍵を開けて案内してくれました。30ユーロの決して高くはない席だったのですが、演奏もよく見え、おまけに前の手すりに肘をついたり顎を乗せたり…思いっきりリラックスモードで音楽鑑賞が出来ました。


シャンゼリゼ劇場外観

演奏後は拍手が鳴り止まず、「お茶の水博士」のような指揮者が小走りで再登場。フランス語で「皆さんもよくご存知の曲ですよ」と言った後、ブラームスのハンガリー舞曲など、アンコール曲を3曲も続けてくれる大サービスぶりでした。


ナビ派のモーリス・ドニによる天井画
外観はシンプルですが、内装はとっても優雅。

ユーロ高のため物が安いと感じることのないパリ生活ですが、コンサート類に関しては、一流の演奏がこんな金額で聴かれるなんて…といつも思います。
お陰で、今回も感動の一夜を過ごすことが出来ました。

2007年5月20日
荒木 芳栄


メトロの駅構内に置いてある“A NOUS PARIS”という
タウン誌に掲載されていたカンヌ映画祭の広告写真。

PS:5月16日〜27日まで、カンヌ映画祭です。今年で60回目を迎えるようで、
    タウン誌や新聞・ニュースでの報道も例年以上のような気がします。
   が、華やかで夢のような赤絨毯の舞台裏では、外国映画の配給権を巡る
    映画ビジネスの熱い戦いも繰り広げられているとのことです。


■フランス情報 mail from France #73

エションジュ(交換授業)
「パリに住めば自動的にフランス語がペラペラになる」と思って渡仏してから早4年半。こんなに長くパリに住んでいてもフランス語は一向にペラペラにならず、上達にはそれなりの努力が必要なのだと当たり前のことを痛感しています。

私の場合、渡仏当初の3ヶ月間語学学校に通いフランス語学習にも意欲的だったのですが、その後は美術のアトリエに。が、アトリエというのは、基本的に作業中は喋ったりしないので、カケラのようなフランス語でも十分罷り通ってしまう…。ただし、そんな環境でも、フランス人の友達を作ったり、語学面を発展させる機会は沢山あるようです。

前置きが長くなりましたが、私は渡仏約半年目から、アトリエで知り合ったベアトリスというフランス人の女の子と、通称“エションジュ”と呼ばれている日本語とフランス語の交換授業を行っています。
当時大阪にペンパルがいたベアトリスから「日本語で手紙が書けるようになりたいんだけど、日本語を教えているところを知らない?」と聞かれたので、フランス語会話能力がゼロに等しくフランス人の友達作りに困難を来していた私は、「私が日本語を教えてあげるから、代わりにフランス語を教えて」と提案してみたのでした。
それから丸4年。とてもフランス人とは思えない生真面目な性格の彼女は、今でも毎週日曜日の午前中、時計のような正確さでウチのアパートにやって来ます。そして、お互いに1時間半ずつ本や新聞等を利用して、日本語とフランス語のお勉強。

大学卒業後、更にパリのボザール(国立美術学校)で勉強を続けている優秀な彼女は、大阪のペンパルとは疎遠になってしまったようですが、日本語学習に喜びを見出した様子で、バカンス・クリスマス・お正月などのイベントに関係なく日曜日にはウチのチャイムを鳴らします(さすがに時々休ませてもらっていますが…)。4年間、毎週3時間も顔をつき合わせているのに、“エションジュ”以外はちょっと雑談する程度(一緒に美術館に行ったり、食事に行くこともありますが…)。お互い、プライベート的な深い話は聞きも話しもせず、逆に淡交だから続いているのだろうかと思います。

日本の文化や日本語の表記法に大きな関心を寄せているベアトリスは、毎日最低1文字は漢字も暗記しているそうで、最近では私の誤字まで指摘されたりすることも…。通常の文章は元より、日本語の歌の歌詞まで理解するようになってきたのでオドロキです。一方の私は、4年に及ぶ彼女の熱心な指導にも拘わらず(おまけにフランスに住んでいるのに)、教わった先から忘れていくという始末…。未だに自分でも何を言っているのかわからないような怪しいフランス語で、申し訳ない限りです。

この“エションジュ”というシステム、パリの日本語新聞等にもよく個人広告が掲載されています。外国人の友達を作ったり、双方がタダで語学の勉強を出来るというメリットがあり、勿論本来の目的で広告を掲載している人が多いと思うのですが、そうじゃない場合(交際目的など)もあるようなので、やはり相手選びには注意が必要です。

同じ相手と“エションジュ”が4年間も続くのは異例のようで、周囲の友人からは「まだ続いているの!?」とよく言われます。ひょっとしたら“エションジュ”の記録保持者かも…と思うのですが、私が相手の家に行く立場なら間違いなく終わっていると思われるので、彼女のコンスタントさにつくづく脱帽です。

そんな彼女は、漢字以外にも1日1ページ文章を書くのが日課らしく、現役の学生でありながら今月フランスの大手出版社から本まで出版することになったと喜んでいました。

「継続は力なり」と、彼女を見ていて心底思います。


仕事の帰り、夜間開館していたルーブル美術館に行ってきました。

2007年5月12日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #72

フランス新大統領
今日はフランス大統領選決選投票日でした。決選投票は、右派のサルコジ氏対左派のロワイヤル氏の一騎打ち。今回は、女性候補者が初めて決選投票に進出したと言う意味でも、歴史的な選挙だったようです。結果は、有力視されていたサルコジ氏に軍配があがり、得票率53%。テレビでは、画面の端にカウントダウン用の時間が表示され、20時ちょうどに開票結果が開示されました。
決選投票では、4月22日の投票で3位敗退した中道派バイルー氏の票がどちらに流れるのかが鍵を握っていたようですが、結局40%がサルコジ票、38%がロワイヤル票、残り22%が棄権や白紙投票で、最後まで熱い戦いとなっていたようでした。

今週はテレビ番組でも選挙関連のものが数多く報道されていました。日本のニュース等でご存じの方も多いと思いますが、5月2日には上記2候補者のテレビ討論が行われました。が、報道予定時間の2時間をはるかに超える白熱ぶり。私も何となく見てしまったのですが、「失業者対策(現在の週35時間労働制について)」から始まって「税金問題」、「教育問題」、「移民対策」などの内政問題や「EU憲法」などを論点に続いた2時間40分に及ぶ討論を見終わった時には、さすがに頭がクラクラ…(おまけに私には高レベルすぎるフランス語でした)。


ウチの郵便受けに入っていたサルコジ氏の選挙小冊子

翌日のニュースで見た限りでは、このテレビ討論はかなり高視聴率だった様子で、第一回目投票の84,6%という投票率や決選投票の85,5%という投票率の数字を見ても、フランス人の政治に対する関心の高さが伺えるような気がしました。
特に若者の参政権への意識が高まってきているようで、ロワイヤル氏が支持者に対して行った本日夜の演説でも、若者に向けて「ブラボー」という言葉を何度も繰り返していました。

今回、新大統領となったサルコジ氏は、ハンガリー系の移民2世です。実行力もあり論客でもあり、実際過去に様々な実績も挙げているため、その政治手腕を期待しての結果だったと思うのですが、反面、警察権力を容易に使うことや大衆扇動的な発言、厳格な移民政策でも知られています。強硬派ですが、問題の多いフランスの現状には、このくらいの人物が必要なのかもしれません。


昨日街頭でもらったロワイヤル氏の選挙ビラ

5月17日には2期続いたシラク大統領の任期が終了するようです。最近テレビで見かける回数の少なくなったシラク大統領に時代の変遷を感じながら、今後のフランスの行方に関心を寄せています。

2007年5月6日
荒木 芳栄