2007.November

■フランス情報 mail from France #100

スト中の出来事

ふと気が付けば「フランス情報」も今回で早100本目。本当に様々なことがあったなぁーと思い返しております。

そして、今週はまたしてもストの話題。
ご存知の方も多いと思いますが、先週14日の水曜日から今週木曜日までの9日間、パリでは大型のストライキが続きました。理由は、再びサルコジ政権の特別年金制度改革案に反対して…とのことのようですが、公共交通機関をはじめ、今週の火曜日には公務員も引っくるめたゼネストで、パリの町は大混乱。

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11月22日 夕方のパリの空

私もずっと仕事に行っていたのですが、普段でもメトロとバスを乗り継いで片道1時間の道のりが、ストの間は片道約2時間半(私事で恐縮ですが…)。ひどい時には、家に帰るのに4時間を費やした日もあり、心身共に疲弊しきった9日間でした。
なぜそんなに時間がかかるのかと言うと、メトロやバスがもの凄い間引き運転の上(運休の線もありました)、長時間ホームで待っていても乗車する人が多すぎて、来た電車にナカナカ乗れない…。文字通りの通勤地獄を味わいました。

週末は家でゆっくり…と思っていたのですが、展示していた作品の搬出等のため、家からメトロで約1時間かかるブローニュという所に行くハメになりました。
「夕方7時半に搬出」と言われていたので、何とか時間前に会場にたどり着いたものの、いざ帰ろうと思ったらさっきまで開いていたメトロの駅がすでに閉鎖。仕方なく、重い作品を引きずって近くのバス停まで行ったものの待ち時間30分。しかも雨まで降り出す始末。
「とりあえずバスを待つしかない」と思っていたら、隣で話をしていた黒人のおじさんとアラブ系のおじさんが偶然通りかかったタクシーを止め、「サンラザール駅まで行くけど一緒に乗っていくか?」と、私にも声をかけてくれました。サンラザール駅は我が家にウンと近いので何の迷いもなく便乗させて頂きました。

途中、ピカピカ点滅するエッフェル塔や(夜は1時間毎に10分間ほどイルミネーションが点滅し、星のようにキラキラ光ります)、コンコルド広場横の白いイルミネーションが輝く観覧車が目に入り感激。隣には縁もゆかりもないおじさんが2人でしたが、何となくとっても幸せな気分で乗車していました。

アラブ系のおじさんは途中下車し、黒人のおじさんと2人サンラザール駅前に到着。「半分お支払いします」と言ったのですが、「心配しなくていいよ」と、結局黒人のおじさんが全額払って下さった上、タクシーを下車した後も、動いているメトロの線などを丁寧に教えて下さいました。
別れ際に、「今日は、たまたま私の誕生日なんです」と言ったら、「お誕生日おめでとう!」と温かい笑顔を浮かべ、大きな手で握手して下さいました。

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明け方のパリの空(ちょっと前のものですが)

きっと二度とお会いすることはないと思うのですが、みんながピリピリしているストの最中、神様から心温まるプレゼントを受け取った気がして、私にとって忘れがたい誕生日とストの想い出になりました。

2007年11月24日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #99

所変われば…

先日、職場のみんなと昼食を食べていた時のこと。
メニューは鳥の丸焼きと野菜のソテーだったのですが、向かいにいた友達が、解体した鳥から出てきたV字型の骨の一方を差し出して、
「よし(私のこと)、そっち側を引っ張って。骨の付け根を勝ち取った方の願い事がかなうのよ」と、勝負を挑んできました。
小骨の割にはしっかりしていてナカナカ折れず、おまけに鳥の脂で手が滑ったりし、途中紙ナプキンを使って握り直して引っ張り合ったり…で、かなり盛り上がりました。
結局、引っ張りすぎた私の負け。「もっと大きな骨を使ったら、もっと大きな願い事が叶うのかなぁ?」と言ったら笑われましたが、フランスにはこんなおまじないが存在しているようです。

 

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逆に、フランスで嫌がられることと言えば、意外ですが家の中で傘を広げること。不幸を呼び込むと言われています(日本だと、雨が降った後など、乾燥させるために玄関で雨傘を広げたりしますが…)。刃物の贈り物。それから、敷居(と言うのか、部屋などの境目)を挟んだ握手など。

マナー上のタブーはよく耳にしますが(例えば、「食事中に音を立てない」など)、国によって他にも思い掛けない違いが存在しているものだ…と、思います。

2007年11月18日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #98

サロン・ドートンヌ

今月8日から「サロン・ドートンヌ(または、「サロン・ドトンヌ」とも…)」という展覧会に作品を展示してもらっています(しかも、なぜか5点も…)。
サロン・ドートンヌは日本語で「秋の展覧会」という意味で、1903年にマティスやルオーなどの革新的画家達によって設立されました。
昔はグラン・パレという会場で開催されていたようですが、今年はレスパス・オートゥイユ( L’Espace Auteuil )という会場で11月18日まで開催中です。

8日の夜にはオープニングが行われ、勤務先のアトリエの人が仕事帰りに全員一緒に見に来てくれました。

このサロン・ドートンヌ展は、毎年4〜6月頃にスライドまたはCDによる作品審査がある国際公募展です。日本にも仲介をしている業者さんが存在しているようです。今回どのくらいの応募があったかは不明ですが、会場では日本人も結構見かけました。

それにしても、今回の展覧会だけでもかなりの作品展示数で(会場も広いので、見て回るだけでも結構エネルギーを要します)、アーティストって星の数ほどいるんだなぁーと再認しました。

 

切手

以前読んだ記事に、「芸術家は自分のいっさいを、そのアビリティーとプロバビリティーに賭けるのである」と書いてありました。が、実際いろいろな展覧会に足を運ぶ度、その中から抜きん出るアビリティーとプロバビリティーというのは並大抵のものではなく、その辺を冷静に見極めるアビリティーも大事なのかも…と我が身を振り返って思ったりしています。

2007年11月11日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #97

ポンピドゥーセンター
今日の午後、ポンピドゥーセンター(国立近代美術館)に行って来ました。美術館内にある本屋さんが個人的に大好きなので割と頻繁に立ち寄ったりしているのですが、今日は肝心の美術館入口が今までに見たこともないくらいの長蛇の列。2時間ぐらい待たないと入れそうにない雰囲気。

「何の催し物をやっているんだろう?」と、案内板を見上げると「アルベルト・ジャコメッティのアトリエ展」でした(来年2月11日まで開催しているようです)。ポンピドゥーセンターは常設展も大変に良いので、その相互作用なのかもしれませんが、とにかくこれでは中にも入れない…。
「本屋さんに直結している入口はないかなぁ?」と思いながら、入口近くのエレベーター前にいた係員さんに「すみません」と声をかけただけで何かを察してくれたのか、エレベーターに乗せてくれ、何が何だかわからないうちに美術館に入れてしまいました。
おかげで、2分後ぐらいには美術館の本屋さんに到達することが出来、欲しかった美術本を購入することが出来ました。

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日本語パンフレットに掲載されていたポンピドゥーセンター見取図

このポンピドゥーセンター、もらってきたパンフレットによると、レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースという人によって設計され、1977年にオープンしたようです。ポンピドゥーセンターというと私には「パイプ」のイメージがあるのですが、外壁に押し出された大きなパイプは、青色が空気管、緑色が水道管、黄色が電気管と、色分けされているようです。

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裏手の路地からスケッチしたポンピドゥーセンター

明日は第一日曜日。パリの美術館の無料開放日です(例外の美術館もありますが…)。無料の分混雑が予想されるものの、さすが芸術の都、アートに関して寛大だなぁーと思います。

http://www.centrepompidou.fr

2007年11月3日
荒木 芳栄