■フランス情報 mail from France #100
スト中の出来事
ふと気が付けば「フランス情報」も今回で早100本目。本当に様々なことがあったなぁーと思い返しております。
そして、今週はまたしてもストの話題。
ご存知の方も多いと思いますが、先週14日の水曜日から今週木曜日までの9日間、パリでは大型のストライキが続きました。理由は、再びサルコジ政権の特別年金制度改革案に反対して…とのことのようですが、公共交通機関をはじめ、今週の火曜日には公務員も引っくるめたゼネストで、パリの町は大混乱。

11月22日 夕方のパリの空
私もずっと仕事に行っていたのですが、普段でもメトロとバスを乗り継いで片道1時間の道のりが、ストの間は片道約2時間半(私事で恐縮ですが…)。ひどい時には、家に帰るのに4時間を費やした日もあり、心身共に疲弊しきった9日間でした。
なぜそんなに時間がかかるのかと言うと、メトロやバスがもの凄い間引き運転の上(運休の線もありました)、長時間ホームで待っていても乗車する人が多すぎて、来た電車にナカナカ乗れない…。文字通りの通勤地獄を味わいました。
週末は家でゆっくり…と思っていたのですが、展示していた作品の搬出等のため、家からメトロで約1時間かかるブローニュという所に行くハメになりました。
「夕方7時半に搬出」と言われていたので、何とか時間前に会場にたどり着いたものの、いざ帰ろうと思ったらさっきまで開いていたメトロの駅がすでに閉鎖。仕方なく、重い作品を引きずって近くのバス停まで行ったものの待ち時間30分。しかも雨まで降り出す始末。
「とりあえずバスを待つしかない」と思っていたら、隣で話をしていた黒人のおじさんとアラブ系のおじさんが偶然通りかかったタクシーを止め、「サンラザール駅まで行くけど一緒に乗っていくか?」と、私にも声をかけてくれました。サンラザール駅は我が家にウンと近いので何の迷いもなく便乗させて頂きました。
途中、ピカピカ点滅するエッフェル塔や(夜は1時間毎に10分間ほどイルミネーションが点滅し、星のようにキラキラ光ります)、コンコルド広場横の白いイルミネーションが輝く観覧車が目に入り感激。隣には縁もゆかりもないおじさんが2人でしたが、何となくとっても幸せな気分で乗車していました。
アラブ系のおじさんは途中下車し、黒人のおじさんと2人サンラザール駅前に到着。「半分お支払いします」と言ったのですが、「心配しなくていいよ」と、結局黒人のおじさんが全額払って下さった上、タクシーを下車した後も、動いているメトロの線などを丁寧に教えて下さいました。
別れ際に、「今日は、たまたま私の誕生日なんです」と言ったら、「お誕生日おめでとう!」と温かい笑顔を浮かべ、大きな手で握手して下さいました。

明け方のパリの空(ちょっと前のものですが)
きっと二度とお会いすることはないと思うのですが、みんながピリピリしているストの最中、神様から心温まるプレゼントを受け取った気がして、私にとって忘れがたい誕生日とストの想い出になりました。
2007年11月24日
荒木 芳栄 |