2008.February

■フランス情報 mail from France #110

語学

先日、フランス人の友人数人と食事をしていた時、「フランス語の会話は、もうほとんどわかるの?」と話の矛先を向けられました。すでに5年半もパリに住んでいるので、ある程度クリアーに聞こえていると思われても致し方ありませんが、正直言って話の細部をわかっていないことも多々…。

少人数だとわからないことは聞き返したりしているのですが、大人数の会話になると、想像力を駆使しながらヒアリングするのが関の山。おまけに、想像力がかなり違う方向に向いてしまっていることもあり、気が付けば一人だけ全く別のことを考えているというケースも間々あります。「話す」ことに関しては言わずもがな…です。

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パリにある友人のレストランに作品を飾らせてもらうことになり、
現在イラスト風の油絵シリーズを制作してます。

先週、米原万里さんと言う方の本を読んでいたら、世界には約6,000の言語があり、それを大きく分けると「孤立語」「膠着語」「屈折語」の3つに分類されるのだと書いてありました。
細かな内容は省略させて頂きますが、英語は「孤立語」、日本語は「膠着語」に所属しているのだそうです。そしてフランス語は「屈折語」に分類されています。日本にいると、「外国語」と言うとどうしても英語のみに偏りがちですが、米原さんの御著書によると、複数の外国語を勉強することによって批判精神や複眼思考が養われるのだそうです。おまけに、その方が修得効率もよいらしいです。確かに、これだけ中身の違う外国語に接していると脳が柔軟になって、考え方も複眼的になるのかも…とは思います。但し、ベースとなる日本語での思考力がやはり物を言うのだろうと、本を読んでいて感じました。

外国に進出する場合、その土地の言葉は必須だと思いますが、国籍や言語が違っても、やはり人間同士の付き合いだと最近よく思います。私の場合は、語学以前の力不足を感じるのですが、自分と向き合う作業というのは、語学学習以上にはるか難行だと思っているところです。

2008年2月16日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #109

カゼ

日頃友人に「カゼひかない」と豪語していたバチが当たったのか、今週はパリに来ておそらく初めて、カゼで寝たきりの1週間を過ごしてしまいました。

「ノドが痛いな…」と思いながら念のため湿布までして寝た翌朝には声がかすれ発熱。大事を取って仕事を休ませてもらったのですが、夕方には熱が39度近くにまで上がり、職場に「明日も休ませて下さい」と電話を入れた時には別人のような声に…。

次の日、仕方なくホームドクターの所に足を運ぶ事にしました。
このホームドクター、私が勝手にそう呼んでいる訳ではなく、3年ぐらい前(だったと思うのですが)、フランスではホームドクターを指定せねばならない制度が出来たので、近所の薬局に「この辺に良いお医者さんはいないですか?」と聞き込みに行き、先生のサインをもらって正式に登録までさせて頂いた正真正銘のホームドクター(専門医に行く時も、このホームドクター経由で…となっています)。が、その後病気とは無縁だったので、診察で尋ねるのは今回が初めてとなりました。

病院(と言うより、先生のキャビン)は、ウチから歩いて3分ぐらいのアパートの一角にあり、サバサバして迫力満点の先生はジャッキー・ブラウンのような風貌の黒人の女医さん。予約の電話をしておいたので、その時間に合わせていくと10分ぐらい待ったものの、すぐに診察してくれました。

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処方してもらったお薬
こんなにいろんな物を飲んで、
体内で化学変化とかを起こさないのか心配になりました…

結局「咽頭炎」だか「扁桃炎」だか…という診察結果で、薬の処方箋を作成してくれました。処方箋を示しながら、薬の飲み方などを説明してくれたのですが、早口で聞き取れなかったのと熱があって始終ボーッとしていたので訳がわからず…。
とりあえず、帰りがけに近所の薬局で指定された薬を購入しました(薬代にも40%〜100%の医療保険が適応されます。例外もありますが)。
薬は効果覿面でノドの方はすごい勢いで良くなったのですが、種類が多くて飲み方を誤ったのか、普段薬を飲み慣れていないせいか、その後1日胃をやられて寝こむことになりました。

現在は回復し、すこぶる元気。「健康第一」を痛感した1週間でした。

2008年2月10日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #108

今週の話題

ここの所、ニュースや町の新聞スタンドで頻繁に目にする顔が、ジェローム・ケルビエル氏(31)。フランス大手のソシエテ・ジェネラル銀行の元トレーダーで、日本でも報道されたとは思いますが、会社に与えた巨額損失の世界記録を更新した現在話題の人なのであります。

植物の絵パリの日本語新聞・ニュースダイジェストによると、事件発覚直後の1月20日時点で、不正取引の持ち高が約500億ユーロ(約7兆8000億円)という天文学的数字だったのを、銀行側が最終的に約50億ユーロ(約7700億円)まで抑えたとのこと。事件の経緯も大変問題になっています。テレビニュースによると、ソシエテ・ジェネラル銀行は、サブプライム問題でも巨額の損失を出していたようなので、まさに大損続き。

以前、勉強しようと思って(この手の内容にはとんと知識がないので)、「デリバティブ」という金融派生商品について書かれた本を読んだことがあるのですが(さっぱり理解出来ませんでしたが…)、元々は為替や株式売買などの相場変動によるリスク回避のものだったのが、今回の事件のように投機目的でも使われるようになったようです。過去には、イギリスのベアリングス銀行も同じような事例で倒産に追い込まれています。

デリバティブの「プライシング理論」というのは、大変に難解な理論のようです。確率微分方程式という高度な数理も使われているらしいのですが、パスカルなどの大数学者を生んだフランスでは伝統的にこのデリバティブ取引に大きな資本を投じる傾向があるのだそうです。

ここ最近のニュースでは、ソシエテ・ジェネラル銀行の買収検討と言う内容の報道も耳にします。ニュースを見る度「金融業界ってこわいな」と思います。

2008年2月3日
荒木 芳栄