2008.March

■フランス情報 mail from France #115

大掃除

ここの所、制作活動が続いていたせいか、ふと気が付けば家の中は散らかりの一大パノラマワールドに…。
我が家には「いつか使うかも」と取ってある物が山のようにあり、それに輪をかけてキャンバスや画材が散乱。友人にその話をしたら「使ってない物がいっぱいだなんて…。死体と一緒に暮らしているようなもんよ」と、強烈なコメントが返ってきました。

“死体”とまで言われたからには、さすがに掃除をしなきゃという気分になり、昨日大掃除を決行。…が、以前通っていた学校の資料や手紙類が出てくる度に読みふけり、いざゴミ箱に投入しようとするとためらわれる物ばかり。人物デッサンを捨てるときなども「一人じゃかわいそうかも…。お友達も一緒に捨ててあげよう」と、何だか訳の分からない考えが脳裏をかすめ、掃除そっちのけで“お友達”探しに没頭。ノロノロと進行していた大掃除は、結局夜になってタイムアップ。大きな成果が得られず終了したのでした。

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私の周囲では、昨年から友人の帰国ラッシュが続いており、帰国間際に全員口を揃えて言っていたのが「物の処分が大変だった」。その一部が各御家庭からウチにもやって来ており(でも、今の所あって助かっている物が多いです)、先行き不明な海外生活なので極力物を増やすまい…と思いつつも我が家には様々な物が増殖中。

「捨てる」というのはナカナカ大変な作業だと思います。
それゆえに、近々もっと思い切った「大掃除第2弾」を決行しなくては…と思っているところです。

2008年3月30日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #114

造顔マッサージ

遅ればせながら、田中宥久子さんの「造顔マッサージ」(講談社刊)を始めました。昨年、パリ在住の身近な日本人の友人間で一大センセーション(?)を巻き起こしていたのですが、私はこういった波に必ず乗り遅れる…。どのみち童顔なのでフランス人からは10歳近く若く見られることが度々。成長が遅々としているように見られるのは、喜ぶべき事なのか、そうじゃないのか…。
このギャップにより顔面マッサージの必要性を大して感じていなかったのですが、最近撮影した証明写真をしげしげと眺めていて「この顔にシワやたるみが累積されていったら…」と、行く末が案じられ策を講じることにしたのでした。

日本よりうんと乾燥しているパリでは、肌が荒れることも多く、硬水のせいで髪もゴワゴワ…。日本と比較すると、美容面ではかなり苛酷な環境ですが、マッサージを始めてから、何となく肌の調子は良いような感じです。

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個人的にだと思いますが、日本に一時帰国したりすると他人の服装が目につき、日本人ってトータル的にとても小綺麗だと感心したりします。が、パリにいると他人の「顔」の方に目が行ってしまいます。バリエーションに富んでいるからでしょうか。パリは人種も様々で、年齢を問わずきれいな人が盛り沢山。顔の造作も関係あるのでしょうが、深いシワが刻まれていたりしても堂々とした美しさの人が沢山います。

以前、「20歳の顔は神様の贈り物。30歳の顔は貴方の生活によって刻まれ、50歳の顔には貴方自身の価値が表れる」というココ・シャネルの言葉を耳にしたことがあります。

顔には様々なものが滲み出てくるのだと思います。
それだけに「今の風来坊のような行き方もそのうち表面化してくるのだろうか…?」と、マッサージを行いながら新たな危惧を募らせております。

2008年3月23日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #113

バビロン

久々にルーヴル美術館に行ってきました。常設展のついでに、昨日から始まった「BABYLONE(バビロン)」という企画展を観てきたのですが、入場してから「オーディオガイドを借りるんだった…」と後悔。含蓄のある内容でした。

会場の前半部分は、くさび形文字が彫られた粘土板らしき物や、様々な彫像が並び、後半部分には、ブリューゲルやその他の異なった作家によって描かれた「バベルの塔」の絵画や版画が、「これでもか…」というくらい展示されていました。こんなに沢山の「バベルの塔」を鑑賞するチャンスは、きっとこれ以外にないと思われます。史実と旧約聖書等の想像物とが、一線を画しながらも程よく混じり合った感じの展示でした。

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バベルの塔

広辞苑によるとバビロンとはイラク中部にあったメソポタミアの古代都市。が、今回の企画展「バビロン」は、都市名というより「メソポタミア・バビロン文明」の事を指しているのではないかと思いました。
「メソポタミア文明」は、メソポタミアに生まれた文明の総称。世界最古の文明だと言われていますが、その中で多くの文明が栄え、また他の文明に征服されていったようです。
初期のものは、紀元前3千年頃にシュメール人が築いた「シュメール文明」。その後、今回の「バビロン文明」、「アッシリア文明」…と、興亡が続きます。そして、その間に、くさび形文字・天文学・暦法・法典などの高度な文化が発展していったようです。

また、「バベル(=バビロン)の塔」の物語が書かれている旧約聖書は、紅山雪夫氏の本(「ヨーロッパものしり紀行」)によると、ユダヤ人の様々な部族間で語り継がれてきた神話・伝説などの伝承を紀元前後約千年かけてまとめたものらしいです(ウチにも1冊、ハードカバーの小説版・旧約聖書があるのですが、ヘビー級の本なので、読もう読もうと思いながらも本棚でホコリをかぶったまま。これを翻訳した人はエライなぁーと見る度に思います)。

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バベルの塔の建築と崩壊

古代都市バビロンには、旧約聖書「バベルの塔」の物語の元となったジグラットと呼ばれる高い塔が実在したらしいです。ただし、よく絵画に描かれている「バベルの塔」は、イラクのサマッラに現存しているらせん形のミナレット(モスクの外郭にある塔)がモデルではないかと言われているそうです。

この「BABYLONE」展、6月2日までルーヴル美術館で開催しています。
悠久の時を経てきた物が何かを静かに語りかけてくるような、そんな感じのする展覧会です。

2008年3月15日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #112

抜歯

昨日、歯医者さんに八重歯を抜きに行ってきました。…と言っても、私の場合、通常の八重歯ではなく、下の奥歯脇に生えていた小さな赤ちゃん歯。珍しいのに加え、何年も人生を共にしてきたのでこのまま放置しておこうと思ったのですが、歯医者さんで「抜いた方がいい」と言われ、仕方なく抜歯することにしました。

本当は、2月上旬に抜いてもらう予定だったのですが、カゼをひいて延期になり、ニューヨーク行きで更に延期になり…昨日に至りました。

2日前から、処方してもらった化膿止めの抗生物質を飲み抜歯に備えたのですが、処置にかかった時間は20分ほど。抜歯前にも「もし痛かったら手を挙げて下さい」と言われていたものの、麻酔が効いていて、何だか分からないうちに抜かれ、傷口を縫合されたのでした。

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パリの歯医者さんは、日本とは随分勝手が違います。治療を受ける前に、検査と治療方法の説明を受け、金額の見積もりをもらいます。それでOKなら通院することになるのですが、支払いも最初と最後に50%ずつだったり、長引くようなら途中で少しずつ払ったり…(状況や歯科によって異なると思います)。いずれにしても、日本のような1回毎の明瞭会計ではありません。

…と言う訳で、来週は抜糸。一昨日まであった八重歯がいきなりなくなったので、何となく寂しい感じがしています。

2008年3月8日
荒木 芳栄


■フランス情報 mail from France #111

ニューヨーク旅行記

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2週間ほどニューヨークに行っておりました。初めての訪問だったので、何もかもが新鮮!今回は、管轄外ではありますが、「旅行者から見たニューヨーク」と言うことで、ニューヨークレポートをお届けします。

●驚いたこと
(1)パリを出国する際のセキュリティーチェックで、昨年のモロッコ旅行のことを根掘り葉掘り聞かれました。一回きりのモロッコ旅行でも質問攻めだったので、年間10回以上モロッコを往復していた友人などは一体どうなるんだろう…?と、勝手に思ったりしました。

(2)アメリカは、チップ社会で驚き。どこに行ってもチップがついて回りました。目安は15%ぐらいだとか…。フランスでは、カフェやレストランで好感をもてるようなサービスを受けた場合、適当にチップを置いていく程度。以前、アメリカから遊びに来た友人が「チップは?」としきりに聞いてきた理由がよく分かりました。

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(3)2月のニューヨークは想像以上に寒く、旅行の後半は−7℃ぐらいの極寒日の連続。パリも寒いと思っていましたが、パリの比ではありませんでした。おまけに外と建物内との寒暖の差が激しく、再びカゼ引きの病人に…。

(4)郵便局がなかなか発見できませんでした。パリでは、そこら中にあるので意外でした。

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(5)日本料理店が多くてうれしかったです。パリにも多数ありますが、数も種類もパリ以上という気がしました。他にも“デリ”や“ドラッグストア”など、日本のコンビニに近いお店が多くてとっても便利でした。

(6)アメリカでは、ビザの取得にかなりの費用がかかると聞いて驚きました(弁護士を雇ったりするんだそうです)。フランスは自分で必要書類さえ揃えればOK。おまけに学生の頃は、「アロカシオン」と呼ばれる住宅手当まで支給してもらっていたことを思い出し、フランスに対する日頃の悪態を反省しました。

●観光
今回は、美術館とギャラリー回りが中心だったのですが、その他にもちょっぴり足を伸ばしてみました。

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メトロポリタン美術館

(1)美術館
メトロポリタンやMoMA(ニューヨーク近代美術館)、グッゲンハイムなど…、大感激でした。ニューヨークには125以上の美術館があるんだそうです。

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ニューヨーク近代美術館

(2)自由の女神
空港並みのセキュリティーチェックに驚きました。更に、2001年以降、女神像の内部には登れなくなったようです(台座の展望台まではOKでした)。

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自由の女神

(3)エンパイア・ステート・ビル
案外空いていて、86階の展望台までスムーズに登れました。オーディオガイドの説明によると、基礎から完成までわずか14ヶ月。世界恐慌で工事に時間をかけられなかったり、工事期間中の穏やかな気候が作用したり…と言う理由らしいです。

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エンパイア・ステート・ビルから

(4)アメリカ自然史博物館
ロバート・レッドフォードのナレーションが付いたプラネタリウムが素晴らしかったです。他の階では、メリル・ストリープがナレーターを務める動物の進化についてのフィルムも…。アメリカだなぁーと思いました。

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アメリカ自然史博物館
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●ナイトライフ
夜が割合ヒマだったので、ブロードウェイに通ってしまいました。ブロードウェイのミュージカルは感涙もの。話の種に1本だけ観るつもりだったのですが、割引チケットを扱うオフィスで入手した半額チケットで、2週間の間に結局4本も観てしまいました。

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ブロードウェイのプログラム

初めて訪れたニューヨークは、パリとは全く異なった雰囲気の大都会。エネルギーとスピード感にあふれる町でした。いろいろな人との出会いもあり、見聞の広がった良い旅となりました。

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2008年3月2日
荒木 芳栄