専門書を扱う書店として最後にご紹介するのは、アートと一緒に古書を扱う香港島のSOHOにあるWattis Fine Art。1988年にオープンしてから20年、オーナーのジョナサンさん呼ぶところの『文化の砂漠』である香港に、アジアや中国の昔の地図や写真、アート、古書などを紹介し、砂漠に潤いを与えようとしてきたお店です。Wattis Fine Artは単に本を本として扱う「書店」というより、ギャラリーの中で本を「文化・アート」として紹介し、少し違う視点から本を提供しているギャラリー・ブックショップといったところでしょうか。また、ここでは昔の香港・上海の姿を紹介する本も3冊ほど出版しているんですよ。
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さすがに絵画がほとんどのスペースを取る店内 |
Wattis Fine Art出版の本 |
このお店のオーナーは、イギリス人のジョナサン・ワティスさん。10代の頃にロンドンのポートベローでアンティークに興味を持ち始めたのがきっかけで、徐々にアンティーク・アートや古書に携わるようになったそうです。栄枯盛衰の激しい香港で、このビジネスを初めて20年。ハッキリ言ってすごいです。SOHOに店を構えたのは12年前ということなのですが、ジョナサンさん自身が移り変わる香港を実際に見ながら、香港の文化の発信地を見定めたということでしょうか。ただ、やはり素人の私にすると、アンティークのアートや古書を扱うならばイギリスの方がビジネスをしやすい気がしてしまいます。どうしてわざわざ香港で?というあたりも、ジョナサンさんにお話を伺ってみました。

↑1840年代の香港の姿を留めた絵
●イギリスのポートベローでアンティークに興味を持って始めた古書・アートのビジネスですが、
どうして香港でお店を持とうと思われたんですか?
実は、若い頃に香港へ1週間ほど旅行に来たんだよ。その時、香港にはアートがない、『文化の砂漠』だという印象を抱いて帰ってね。それで、だったら自分の手で香港にアートや本などの「文化」を提供しようじゃないか、と思うようになったんだ。あの一週間のおかげで、自分が今こうして香港で何十年も暮らすことになるとは思わなかったよ。(笑)
●ターゲットとする客層には、どのようにここをアピールしていますか?
ターゲットとする客は世界中にいるから、ウェブサイトを通じてアピールしたり、こちらから連絡を取ってみたり。あとはギャラリー内でのエキシビションだね。
●こうしたビジネスをすることに関して、難しい点・楽しい点は何ですか?
難しい点は、(アートも扱っているので)香港には広いスペースがあまりないところかな。香港は家賃が高いので、広いスペースを見つけるのは大変だよ。(笑)楽しいところは、こういうアンティーク・アートや古書のビジネスをやっていると、何か珍しいものを発見できるところ。そして、作品や本の裏に潜む歴史や興味深い話を知ったりするのも楽しいよ。
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ジョナサンさんお気に入りのアート・ブック |
中にはアジアを描いた繊細な絵がいっぱい |
ジョナサンさんは日本の木版や日本の本についても色々とご存知のようで、その昔日本で漫画を始めたCharles Wirgmanの話など、私はすっかり聞き役になっておりました・・・。海外で暮らしていると、時々いかに自分が日本について知らないかを思い知らされることがあるのですが、今回もまたひとつ日本についての知識が増えました。
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以前ご紹介したLok Man Rare Booksのローレンスさんや、Indosiam Rare Booksのイブさんも香港での「文化」ビジネスは難しいと言われていましたが、こうして香港にもっとアートや文化をもたらそうと人達がいるからこそ、香港がより多彩な魅力を放っているんだなあ、とあらためて実感した次第です。本も立派なアートであり、文化。これからも香港に多彩な文化を提供してもらいたいものです。
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日本人画家が描いた
1930年の香港・ランタオ島の絵 |
今回の書店:Wattis Fine Art
20 Hollywood Rd, 2・F, Central, HK
Tel: (852) 2524 5302
Fax: (852) 2840 1723
Email: info@wattis.com.hk
Home Page: www.wattis.com.hk
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