●香港書店事情#03
香港系書店番外編:本の価格を比べてみると…

今回は香港系書店番外編ということで、ちょっと寄り道して香港で売られている本についてお話ししてみましょう。

最近は中国語を勉強する人が多いのでご存知の人もいるかと思いますが、中国語の文字には簡体字と繁体字の二種類あります。中国本土では簡体字が使われ、香港(および台湾)では繁体字が使われています。ただ、香港系書店では、日系書店や英語書籍専門店のように単一言語(繁体字)の書籍だけを扱っているわけではありません。特に外国人居住者のいる都市中心部では、繁体字はもちろん、簡体字、そして英語の書籍と、複数言語の書籍を扱っています。香港で北京語のできる人はまだ限られていますが、現在では北京語を学ぶ人が多くなっているため、簡体字書籍もかなり需要が増えているようですね。そんな需要が増えているところにもってきて、簡体字を読める読者だけが得られるちょっとしたメリットもあるんですよ。
例えば、下の写真の西遊記。左側が簡体字版西遊記、右側が繁体字版西遊記。どちらも同じ内容です。何が違うかというと…

価格。この西遊記だけでなく、本土から入ってくる簡体字版の方が割安なんです。中国本土の本は元々の原価が安いため、香港での売値も安くなるんだそうです。紙の質はあまり良くないようですが、読んでる最中に破れたり、中綴じがバラバラにならない限り、香港で大して気にする人はいないでしょう。ただ、香港人は現実的ですから、同じ中国語なのに地元の言葉(繁体字)の方が高いと、何となくソンした気分になってしまうかもしれませんね。読者人口の少ない香港、もしかして

「高く感じさせてしまう価格の違い」も多少影響しているのでは?…な〜んて勘ぐってしまいます。

また、簡体字版と同じ内容の英語版では、値段の差が如実に表れます。下の写真は、簡体字5冊分の一つの物語と、その英語版。ペーパーバックとハードカバーという違いはありますが、どのくらい価格が違うと思いますか?
簡体字版5冊で40元(約600円)に対し、英語版は約HK$300(約4500円)。たとえ簡体字版5冊を英語版ペーパーバック1冊にまとめたとしても、英語のペーパーバックは通常大体HK$100〜なので、価格は約3倍。もし上下2巻の分冊にしようものなら…。はー。翻訳費用がかかるとはいえ、本当に英語の本は高い!日本でも英語の本は割高ですが、中国語の本は安いので、その価格差が更に大きく感じます。
それでも、香港系書店に比べると、割高な書籍を売る日系書店や英語書籍専門店の方がにぎわっているんですよ。やはり、少々高くても購入できる読者が多いという現実を反映しているんでしょうか。

私は日本語本と英語本を購入している(するしかない)とはいえ、本の価格を比べてみて「こんなに価格が違うのか!」、と思わず財布のヒモがきゅっと締まってしまいました。しかし、安い簡体字本を購入すべく今から北京語をマスターしようとしたところで、その果てしなく長い道のりにかける時間と費用を考えると、やっぱり素直に日英本を購入した方が安くつく…。これって選択の幅が少ない読者の足元を見られているような気がするんですが、やっぱり仕方ないんでしょうか…??

最後になりましたが、7/19〜26で行われている2006年香港ブックフェアに行って来ました!時間がなかったので駆け足だったのですが、いやはや、その展示ブースの多さに圧倒され、すごい人ゴミに巻かれ、人の波に乗って出口に吐き出された時にはヨロヨロでした…。そんな熱気にあふれたブックフェアの様子は、また次回にでもお伝えしますね。お楽しみに!

2006年7月23日  宮道 伸子