■香港情報 mail from Hong Kong#07
日本VS香港のお弁当
香港に来てからというもの、「おいしいものがいっぱいあっていいですね」と言われる事がよくあります。すっかり当たり前になっていますが、確かに香港にはおいしいものがたくさんあります。本格中華に飲茶をはじめ、西洋から東洋までバラエティに富んだ各国料理、オシャレなものから気取らないローカルのものまで、色んなチョイスで楽しめるカフェ、レストラン&バー。おいしいお店をホッピングするのも、美食の街・香港で暮らす楽しみです。
ただ、やっぱりこれは日本の勝ち!と思ってしまうのは、お昼ごはんのお弁当。(お弁当と言っても手作りではなく、売られているお弁当です。)おかずはバラエティ豊かだし、気をつけようと思ったら、魚、豆類、肉、そして野菜を取り入れてバランス良く食べることだって可能です。コンビニのお弁当でも季節ごとに違うものが出るし、カロリー表示までされてるなんて、今から考えるとなんと細やかな心遣い!色んなものを少しずつというコンセプトの日本のお弁当は、目に楽しく彩り豊か。もちろん単品モノもありますが、ちょこっと漬物や卵焼きがつくなど、小さな箸休めがあるのが嬉しいですよね。
香港のお弁当(正確には、お弁当というより持ち帰りごはん)はというと…これがもう、悲しくなるくらい彩りナシというか、ほぼ「単色」。オフィス近辺のローカル食堂の出前弁当にしても、屋台やスーパーの惣菜コーナーのお弁当にしても、少なくとも自分が今まで食べたお弁当は、ほとんどが大盛りごはんの上におかずが一品か二品ほど無造作に載ったぶっかけごはん。(時々ごはんとおかずが仕切られているものもあるものの、ハッキリ言って大した差はナシ。)日替わりメニューも、やっぱりごはんの上に日替わりおかずが載っているだけの違い。
まあ、見た目は良くないけど味は悪くないし、おなかに入れば同じなのでいいと言えばいいんですが、日本人としてはやっぱり寂しい気もします。また、ボリュームがあるので男性にはピッタリなんですが、女性にとっては多すぎたり、もっと健康的なごはんや色んなおかずを少しずつ食べたい時には困りもの。サラダや麺類、パスタなども選択肢にはあっても、それらもほとんど同じ味をずっと食べ続けなくてはならない「単色」ごはんなので、食べ飽きてしまうんです。

実際のお弁当はこんな感じ。
(この時のおかずは、ピリ辛麻婆茄子とピクルス入り卵焼き。
ドリンク付のお弁当は、通常20香港ドル(300円)ちょっとくらい。)
だからこそ思うのですが、ちょこちょこと色んなおかずが楽しめる幕の内弁当、あれって気が利いてていいですねえ!日本にいた時はほとんど見向きもしませんでしたが、一つのお弁当の中に欲張りにも野菜あり、肉・魚あり、卵焼きあり。おむすび(か、梅干しごはん)と一緒にそれらが彩り良くコンパクトに入ってるなんて、今から考えると素晴らしいアイデアです。…なんて言うと大げさですが、あの良さは海外で暮らして分かるものかもしれませんね。温かいお味噌汁が付くものもあるし、やっぱりお弁当は日本のモンです。(こう思うのは日本人の自分だけかと思っていたら、日本で暮らしていたカナダ人の友人も「日本のお弁当が香港にあったらいいのに」、と先日つぶやいておりました。)
ちなみに、中華料理だって彩り豊かなはずなのに、どうしてお弁当となると「単色」なのか?
個人的に思うのは、料理を大勢でシェアして食べることが多いのが中華料理。色んなものが食べたければ、皆で食べる。一人でレストランで食べたら、量は多いしおかずは一品か二品がいいところ。持ち帰りのお弁当がそれと同じようにおかず一、二品になったところで、別に違和感はないのでしょう。それに、駅弁も行楽弁当もない香港ですが、安くて美味しいお店がそこら中にあるので、わざわざお弁当を持ち歩こうなんて思わない。こう言ってしまえばそれまでですが、そもそもお弁当の概念が違うんでしょうね。お弁当は単に食べたいものを持ち運ぶものであり、見た目や品数の豊富さがどうだろうと、安くておいしくて満腹になればそれでいい…という感じではないでしょうか。様々な食材・食感を少しずつ楽しむことまでお弁当にまで求めるのは、日本ならではかもしれませんね。
もし香港に日本のお弁当チェーンができたら、きっと人気になると思いますよ。だって、香港人は日本食大好き。西洋人も日本食=ヘルシーというイメージがあるので、法外な値段を付けなければきっと売れることでしょう。ぜひとも日本のお弁当チェーンに進出して頂き、香港の昼食事情(および私の昼食事情)を明るくしてほしいものです!
2006年9月10日
宮道伸子
追記:
まったく私ごとで恐縮ですが、9月10日めでたく(?)香港生活5年目に突入してしまいました。フラリと香港にやって来てすでに丸4年。これから5年目の生活が始まるのかと思うと、本当に感慨深いものがあります。5年と言えば、もう「フラリと来た」なんて言っている場合じゃありませんので、5年目は香港生活の節目となる年にしたいと思う今日この頃です。これからも地味ながらも素顔の香港生活をご紹介していきますので、引き続きお付き合いくださいね。 |