2007.April

■香港情報 mail from Hong Kong#20

飲茶いろいろ
 香港と言えば、飲茶。有名どころの飲茶レストランもありますが、大抵どこへ行ってもおいしい飲茶を楽しめます。様々な国籍の人が暮らす香港の飲茶は、万人受けするおいしさ。今回は、飲茶の話題です。

 香港では、日曜のお昼に家族が集まって飲茶をするのが定番。友達同士や職場の仲間で飲茶ランチをすることも多いです。大勢が集まってのランチとなると、各人が好きなものをオーダーしてシェアできる、バラエティ豊かな飲茶が一番無難かつ手軽な選択なんでしょうね。皆で円卓の中華テーブルを囲み、ターンテーブルをグルグル回して「お先にどうぞどうぞ」と譲り合いつつおいしい飲茶を食べると、親近感もグッと増してくるから不思議です。海外からの来客があった際にも、やはり飲茶はとても喜ばれます。


↑披露宴会場兼飲茶レストラン。
遠くには、ウェディング・ケーキもスタンバイ。
 飲茶レストランの多くは、実は結婚披露宴などが行われる大きな宴会会場。香港の結婚式は夜から行われる事が多いので、お昼はそこが飲茶レストランとなるわけです。そのため、レストランの隅には披露宴用に花やハートマークが飛んでいるステージがあったり、おそらく夜に披露宴をされるカップルの名前がすでにステージ上に掲げられていたりと、何というか飲茶にはそぐわない華々しさ。でも、そんな事を気にする人は誰もいません。
日本だと雰囲気とかディテールにこだわりそうなところですが、雰囲気うんぬんよりも、要はおいしい飲茶が食べられればいいのです。こんなところは、現実的で大らかな香港人らしいですね。

 席に着いてまずすることは、食器洗い。各自おもむろにアライグマと化し、急須に入ったお湯でせっせと箸や食器を洗うのです。こんなことをするのも、箸や食器が汚れている事があるからなのですが、個人的には、料理が運ばれてくるまでのヒマつぶしではないかと思うフシが無きにしも非ず。洗い終わって湯飲み茶碗にお茶を注いでもらうと、これでようやく準備万端。後はおしゃべりしながら飲茶が来るのを待つだけです。ちなみに、お茶を注ぐのは大体男性の役目。お茶がたっぷり入った大きな急須は、女性には重いからということのようですね。日本男児も香港で飲茶をする時は『郷に入れば郷に従え』、率先してお茶を入れてあげると喜ばれますよ。お茶を注いでもらった人は、人差し指と中指を軽く曲げ、テーブルをコンコンと二回叩いてお礼を伝えましょう。お茶やお湯がなくなったら、お代わりのサインである急須のふたをずらしておくのも忘れずに。

 飲茶の注文はマークシート方式で、自分達で記入します。昔は飲茶を載せたワゴンが各テーブルを回ったそうですが、その姿が見られるレストランはもうほとんどありません。昔ながらの飲茶スタイルを楽しみたい人にはガッカリかもしれませんが、マークシートで注文した方が確実に欲しいものが食べられるし、しかも熱々で出してもらえるため、私は(おそらく香港人も)それほど気にしません。やはり要は、おいしい飲茶が食べられればそれでいいのです。(笑)それに、言ってみればマークシート記入作業も飲茶の楽しみの一つ。最初はとまどうかもしれませんが、案外漢字を見ると何となく予想がついたりするので、なかなか面白いですよ。それに、自分の好きなメニューも覚えられますしね。

↑注文のマークシート。
まるでテストの回答用紙?

透き通った皮で
プリプリ海老を包んだ蝦餃。
私の天敵、鶏の足。
味はおいしいらしいですが…。
 最後に、香港人に人気の飲茶メニューを二つご紹介。彼ら(少なくとも私の周りの香港人)が大好きなもの、それが「蝦餃」というプリプリのエビが入った蒸し餃子と、「鳳爪」という鶏のアンヨ。(「鶏」よりも「鳳凰」の方が美しいので、「鳳凰の足」という言い方が好んで使われているようです。)私も蝦餃は大好きですが、鶏の足だけはどうしても口にできません。皆「美味しいよ!」と口を揃えて勧めてくれるのですが、足首からチョンっとキレイに切り揃えられた足そのものの姿を見ると、どうも食欲が萎えしまうのです。舌の形がそこはかとなく残る牛タンすら苦手な私には、この鶏の足のハードルは山よりも高し。コラーゲンたっぷりでお肌にはいいらしいのですが、残念ながらいつも見送りです。食べ方は、肉の部分をチュルルルル〜っと吸い取る感じで骨からこそげ取るんだそうですよ。香港人オススメの本場の味を試してみたい方は、ぜひどうぞ!

ご存知、
日本人にも人気の
甘辛叉焼が入った
チャーシューパオ。
豚肉・エビなどが
入った熱々の
シュウマイに、
ハスの葉に
包まれた
中華チマキ
モチモチのチマキの
中には、鶏肉・シイタケ・
干し海老・うずら卵が。

(お店によって内容は
異なります。)
つるんとしたのど越しの
エビのライスシート巻き。
デザートには、カスタードクリームが
たっぷり入った蒸し饅頭。
オススメです。

2007年 4月29日
宮道伸子


■香港情報 mail from Hong Kong#19

病院へ行こう
 通年ならば旧正月以降は暖かくなる一方の香港なのですが、今年は初夏のような日があったかと思うと一気に寒くなる日を繰り返し、久しぶりにひどい風邪を引いてしまいました。ようやくいつもの天気と私の元気が戻ってきたところで、せっかくですから今回は香港の病院のお話を。

 まず、香港には政府の病院と私立の病院があります。当然、政府の病院の方が費用は安いのですが、対応やサービスは私立病院とは比べ物にならないくらい悪いと聞いています。聞いたところでは、待たされる上に扱いもぞんざいで、入院する時にはトイレットペーパーまで持参して入院しなくてはならないとか。…本当なんでしょうか。一方の私立病院は、日本の病院とあまり変わりはありません。医者や病院スタッフの対応も良く、設備などは日本よりいいと聞いたこともあります。裕福な香港人は、やはり私立病院に行くようですね。

 私がお世話になっている私立病院は大きな病院ですが、すぐに対応してもらえるし、日本語サービスもあるので安心です。通常は英語で診察を受けていても、いざという時に日本語サービスがあるとやはり心強いものです。そして、他の病院はどうか分かりませんが、予約を入れる時に患者が医師を指名できるのも嬉しいところ。診察してくれた医師が自分に合わなければ、次回からは別の医師を指名できるからです。最初の頃は特に指名はしていなかったのですが、今では勝手にホームドクターと決めた、ウォン先生を指名して予約しています。日本と同じであっという間に診察は終わってしまうのですが、優しくて穏やかなウォン先生に診てもらえると、何だかホッとしてしまうのです。同じ女性なので、余計リラックスできるのかもしれませんね。


先日もらって来た薬。
アルコールも冷たい飲み物もご法度です。

 医療費はというと、今までの診察からいくと診察料として毎回約6000円、あとは処方される薬などで総額が決まります。私は大体いつも約10000〜15000円くらいになりますが、会社の保険が使えるので、支払いはキャッシュレス。急に診察を受けたい時にはとても助かります。今まで2回時間外にお世話になった事がありますが、そんな時もタクシー代だけあればとりあえず駆け込めるので、キャッシュレス診察のありがたさを実感しています。

 そして日本とちょっと違う点は、医師が簡単に病欠証明を出してくれるところでしょうか。なぜかよく病欠する香港人、前日どんなに元気でも、翌日アッサリ「病欠」で休んでしまいます。日本人なら無理してでも出社してくるような、重要な締め切りがある日でも、です。診察の時にちょっと体がダルいと言うと、「じゃあ、今日は一日休みなさい」と脱力するほど簡単に証明書を出してくれるので、つい休んでしまうんでしょうね。日本人の私は本当に必要な時しかもらう根性がない(?)のですが、病欠した前日も翌日も元気に出社している香港人を見ると、正直言って「ホントだったのかなあ〜」なんてつい想像してしまうこともあります。(笑)もちろん、真相は分かりませんけどね。

 ちなみに、香港の会社では(少なくとも私の会社では)病欠は医師の証明書がない限り、給料から差し引かれます。つまり、それだけズル休みする人が多いということなんでしょうか。数時間診察を受けて会社に出てくるくらいなら証明書は必要ないのですが(このあたりは香港らしく、アバウトなのです)、お休みするとなると話は別。日本にいた時はとりあえず一日寝て様子をみて、それでも良くならなければ病院に行っていましたが、今はたとえ起き上がれないくらい具合が悪くても、意地でも起き上がって病院に行きます。具合が悪い上に休んだ分の給料まで引かれたら、まさにふんだりけったりなので…。本当にそのまま安静に寝ていたい時には、実にやっかいなシロモノです。

 そんなわけで、都合のいいことも悪いこともある香港の病院。病院に行くのは治療のためなのですが、もしかすると具合の悪い人いい人も、みんな証明書のために行っているのかもしれませんね。

2007年 4月15日
宮道伸子