2007.February

■香港情報 mail from Hong Kong#16

The Year of The Golden Pig ― 黄金猪年 ―

 いよいよやって来ました、旧正月!元旦は18日、うらやましい事に中国本土は丸一週間ほどお休みとなりますが、香港は3が日の20日までがお休みです。年末からしつこいくらいに旧正月、旧正月と言ってきましたが、これでようやく香港も新年を迎えて一安心(?)。日本では猪年ですが、香港では猪と書いてブタ年、The Year of The Pigの始まりです!

 実は、今年香港では出産ラッシュが予想されています。それもそのはず、今年は『金のブタ年』。香港・中国・韓国などでは「今年生まれる子供はとてもラッキー」と言われ、子供が欲しいご夫婦はラストスパートをかけて頑張ってみる甲斐のある年かもしれません。少し長くなりますが、なぜ今年生まれる子供がラッキーなのか、説明すると致しましょう。
タイムズスクエア前に飾られた
ブタのアートの一つ。金のブタ年にピッタリ。

 まず、ブタというのは健康、富、幸運の象徴とされ、中国・香港・韓国などではこの年に生まれた子供は、その生涯を通じて健康と経済的な豊かさに恵まれると言われています。さてこのブタ年、12年に一度やって来るのは日本と同じなのですが、こちらでは更に中国哲学の5大要素(木 (Wood)、火 (Fire)、土 (Earth)、金 (Metal)、水 (Water))に当てはめ、各干支は一つずつこの要素を帯びた年として巡ってきます。つまり今年はブタ年でも火の要素を帯びた年、The Year of The Red (Fire) Pigとなり、このRed Pigの年が巡って来るのは60年に一度となる訳です。ご存知かと思いますが、中国・香港では赤は縁起の良い色とされ、このRed Pigの年は他の4要素を帯びた年よりも幸運な年とされているようです。ただでさえ子供を生むには良いとされるブタ年なのに、今年は60年ぶりに更に幸運なRed Pigの年がやって来た、という訳なんですね。


タイムズスクエアの飾り

 その上、特に韓国で大騒ぎしている様ですが、陰陽などを合わせて計算すると、今年は同じブタ年でも特別な意味を持つ非常にラッキーなThe Year of The Golden Pigの年なんだとか。そんな年が巡ってくるのは、なんと600年に一度!この年に生まれた子供はもちろんその恩恵を受け、更に大きな富と幸運、そして健康に恵まれるらしいですよ。60年に一度のチャンスでも希少価値が高いのに、600年に一度なんてまさに千載一遇の大チャンス!そりゃあ皆さん、頑張るに決まっているでしょう。(笑)

 ただ、600年に一度のチャンスうんぬんは、下降する出生率をあげるために韓国政府が流した根拠のないウワサだとも囁かれており、この金のブタ効果の真偽のホドは、「???」といったところ。ちなみに2006年は春が二回訪れるダブル・スプリングの年とされ、この年に結婚したカップルは幸せになると言われていました。実際に多くのカップルがゴールインしたようですが、その翌年が子供を生むにはスーパーラッキーな600年ぶりの年だなんて、確かにちょっと出来すぎな気もしますよね。(笑)
もちろん韓国だけでなく、香港でもTVなどで「The Year of The Golden Pig!」と言っていますし、中国本土も同様のようです。火は赤以外にも黄色や金色と結びつくため、The Year of The Red Pig=The Year of The Golden Pigとしている説もありますが、めでたい赤を同じくめでたい金に変えても大差ないということなんでしょうか。しかし、少なくとも香港では「600年に一度」という話は出ていないですね。

旧正月の食べ物。
お餅のようですが、
スライスして焼いて食べます。
甘いのと甘くないのがあります。
旧正月の贈り物に
日本の富士りんご

 そもそも、この600年に一度のスーパーラッキーな金のブタ年とは何ぞや?と色々調べてみたのですが、バラつきのある情報の深みにハマり、もう赤でも金でも60年でも600年でも何でもいいか、となってしまったのが正直なところ。とりあえず、共通事項を無理矢理まとめてみると「子供を生むなら今年、今年生まれた子供はいつものブタ年よりラッキー」ってところでしょうか。(笑)この出産騒ぎを馬鹿げてると言う人も多い中、「本当かどうかなんて分からないけど、こんな素晴らしいチャンスを逃すより、それを信じて生む方を選ぶわよ」、と言うのは生む側の妊婦さん。確かに信じるものは救われるかも。

 そんな訳で、今年は中国・香港・韓国で出産ラッシュのようですが、その一方でこの出産ラッシュが引き起こす弊害も発生しています。現段階で一番大きな問題は、産院不足。日本でも産婦人科や産院不足が問題になっていると聞きましたが、香港では中国本土からの妊婦が香港の産院を占め、香港の妊婦の多くが入れない状況なっているとのこと。去年は妊婦によるデモも行われ、この度香港政府は香港の妊婦が優先的にサービスを受けられるように取り決めたようです。それによって状況は徐々に改善されているようですね。

<ビクトリア・パークのフラワーマーケット: 香港人はお正月前に運気をアップさせる花を買って新年を迎えます!>
お正月と言えば桃の花。
恋愛運、人間関係、ビジネス運を
アップさせてくれる花。
水仙は春の象徴。
フォックス・フェイスは
子孫繁栄を祈って。
金柑の木は金運アップ。

人気の桃の花は正月飾りをつけて小さな鉢植えでも販売。

 他には、人口の増加も懸念されています。香港で生まれた赤ちゃんには、自動的に香港居留権が与えられます。その居留権が目的で、今回のように中国本土から観光で香港に入境、何とか香港で子供を生もうとするケースが増えているわけですが、本土からの人口が増えることで今後の仕事不足や学校不足など、様々な問題が懸念されているのです。そのため、本土から香港への入境厳しく管理、妊娠7ヶ月以上の妊婦は入境させないなどの対策が始まったと聞いています。ただ、本土からの妊婦を斡旋して利益を得る業者などもいるため、香港政府も今後の様子を見て更なる対応を検討するかもしれませんね。

 ということで長くなりましたが、新年ブタ年にまつわるお話を旧正月の風景と共にお届けしました。いかがでしたか?ちなみに出産とは関係ないという皆さん、今年はビジネスやお金儲けにもいい年だそうですよ!


恭喜發財(Kung Hei Fat Choy)!

2007年 2月18日(旧暦元旦)
宮道伸子


■香港情報 mail from Hong Kong#15

香港のバレンタインデー

 2月と言えば旧正月。でも、その前に迎えるのは、香港でもおなじみのバレンタインデー。せっかくなので、今回は香港人のバレンタインデー&恋愛事情をお届けすることに致しましょう。

キレイにディスプレイされた
ぬいぐるみとチョコレート
ディスプレイの後ろには、
チョコを買う男性の姿も多し

 香港のバレンタインデーは、日本と違って欧米式に男性が女性に花を贈ります。今年は旧正月が近いのでバレンタインのデコレーションは目立ちませんが、それでもバレンタイン用花束の予約で花屋さんは大繁盛。バラの花も、一年中で一番高くなる時期です。そしてバレンタインデー当日は、仕事帰りに花束やバラの花を一輪持ってイソイソとデートの場所や家へと急ぐ男性の姿もあり、何とも微笑ましい限りです。また、私のオフィスでは見たことないのですが、彼氏からオフィスに花をデーンと送ってもらい、花束の大きさを競う人達もいるのだとか。確かに香港人はそういった事は好きそうですが、ホントにそんな事があるんだろうかと、未だ半信半疑。どちらにしても、香港のバレンタインデーは男性が花を片手に、ロマンティックなムードを盛り上げようと頑張る日。女性にとっては何とも嬉しい日ですね。

 一般的に、香港人女性は気が強くてパワフル。一方、香港人男性は女性に押されてか(?)、気がいいというか、優しい人が多いようです。もちろん皆が同じという訳ではありませんが、大体典型的と言われているのはそういうタイプ。だから、見た目は可愛らしくていつもニコニコしていても、しっかり手綱を握っているのはやっぱり女性。(これはどこの国でも同じでしょうか?)カップルの力関係は、女性>男性のようですね。私の元上司は社内結婚をしましたが、奥様は別の部署で働く小柄で可愛らしい大人しそうな香港人女性。しかし、彼は結婚前から彼女に頭が上がらず、いつも言うセリフは「彼女はコワイ」。あの大人しそうな彼女が彼をどう怖がらせていたのかはナゾですが、まあ結局結婚したのだから、彼も手綱を握られるのはまんざらでもなかったのでしょう。(笑)

花屋さんもバレンタイン仕様
バレンタインデー3日前にして、
「これ以上花束の受付は
できません」との看板が。
花屋さん大繁盛!

 「どうして香港人男性は気の強い香港人女性にガマンしてるのか?」という疑問を持った方もいるかもしれませんが、多くの香港人男性(特に若者)は、女性に優しくすることがジェントルマンの証と思っているフシがあるような気がします。だから女性に対して常に優しく、何かあっても男たるものグッとガマンの子で頑張っているのでは。何だか涙ぐましいものがありますが、そういった風潮の中で暮らしていると案外当人達にはガマンでも何でもなく、そうすることが自然な人も多いかもしれませんね。
また、確かに香港女性は気が強くてたくましいのですが、それと同時に見習いたいくらい甘え上手。気の強い女性が時に可愛らしく甘えてくる、そのギャップについ香港人男性もホニャホニャになってしまうのではないでしょうか。(笑)これも結婚生活となると色々とあるようですが、たくましい女性と優しい男性、ちょうどバランスが取れて良さそうですよね。実際、「僕の彼女はコワイ」とか、「僕の奥さん、付き合ってた時は可愛かったのに・・・」なんてセリフを耳にする事もありますが、案外男性達は幸せそうです。

こうして今年のバレンタインデーも、男性達は更にジェントルマン度を上げ、スイート路線で頑張ってくれることでしょう。路上や地下鉄内でラブラブされると、個人的には非常に迷惑なんですが、もうこの日は大目にみましょう。彼らもこの日のために色々と頑張ってますからね!そういえばつい先日、香港人の同僚とバレンタインデーの話をしていた時に、彼がポツリと言いました。「君達、女に生まれて幸せだね」。香港の恋愛マーケットの厳しさに、「男はいいよねえ」なんて女同士で弱音を吐くこともあるのですが(実は女性の方が大変なんです)、どうやらお互い隣の芝生は青く見えるようですね。(笑)


日本の男性の皆さんも、今年は花を贈ってみては?

2007年2月11日
宮道伸子