2006.June

■イタリア情報 mail from Italy #2
〜 古典の香りに旅して  〜

今年は夏が1ヶ月遅れで来ている、と呟かれるイタリアでも、バラの季節がやって来ました。そこで、前から一度行ってみたいと願っていた、モデナ郊外に位置する”Museo della rosa antica“、「オールドローズ庭園ミュージアム」へ足を伸ばしてきました。

オールドローズ。バラの種類ですが、実物を見るまでには一体何なのか、ぼんやり。
そこで鑑賞の前に、ガイドの方より分類の説明が。バラにはオールドローズとモダンローズがあり、一般には前者が1960年代頃までの古い品種を示し、後者がそれ以降の物とされています。
オールドローズの最大なる特徴は、その花びらやトゲの数。花びらに至っては、外見的にも使用目的までも左右。数が多いほど芳香が強くなり、香水製作などに向いているのです。

こちらの庭園ミュージアムは山の斜面を利用して作られ、その数800種が鑑賞可。

開館までに要した時間は10年。全ての品種が花の満開を同時期に迎えるわけではありませんが、6月が一番良い時期のようです。

今回、ガイドの方の興味深いお話と共に広い庭園を鑑賞させて頂き、バラの世界の不思議世界について多く知ることが出来ました。例えば、私は、バラの木=病気に弱い、薬剤を撒く、のイメージがありました。しかし、オールドローズの場合は
品種が長くから存在するため、モダンローズよりも耐久性があるのです。それでも、菌性の病気となった場合は。こちらでは菌が着いた葉や茎を全て土からも
手作業で取り除き、焼却処理。薬剤を撒かない理由は?それは、庭園で育つバラの花びらが、ミュージアム内のショップで紅茶、ジャム、ジュースなどへ変身するからです。

ぐるりと鑑賞をした最後。極めつけの香り3大品種を見せていただきました。それは最も芳香が強いとされる、精油の搾取に適したバラ達。その香りは「おやすみなさい、ウットリ…」な気分。花びらの色も、皆同じようなピンク。しかし嗅ぎ比べると、バラの香りにも随分と違いがあるのですね。私が惹かれたのは、イスパハンという品種。柔らかく甘い香りの中、かすかに漂う草の香り。

イタリアも、ローマ帝国時代にギリシアから香水文化が伝わると、バラの香りが大流行したとか。
私が嗅いだ香りも、一体どれだけの人々を魅了させてきたのでしょうか…。
はるか遠い、古典の時代。歴史の1ページを彷彿させる芳香浴でした。

2006年6月18日
Photo & text by福井エリナ

Museo giardino della rosa antica
Via Giardini Nord, 10250
41028 Montagnana di Serramazzoni (MO)
www.museoroseantiche.it
モデナ市内より、車で約40分
*近くには公共交通機関がありませんので、お車でのお越しが便利です。

■イタリア情報 mail from Italy #1
〜 夏は、外で食事を作ろう、食べよう  〜

皆さんこんにちは、福井エリナです。今回より、さまざまなイタリアの様子をお届けいたします。
イタリアは、外での食事が大好きな国です。春を過ぎると、街のレストランやカフェが一斉に屋外テーブルをオープン。一方、自宅の庭で食事を作るとなれば、バーベキューが代表的。
夏の休日、お昼頃にどこからともなく、お肉の良い香りが流れてくることが度々あります。

そこで、私たち家族も週末にバーベキューランチをしました。
そもそも、行動の発端は義父と夫の男性軍による「お肉が食べたい」の大合唱。
お肉と言っても、カルビ焼きやホルモン焼きではございません。
肉厚が最低指2本、重さ約1キロのフィレンツェ生まれは、ビステッカ アッラ フィオレンティーナ。Tボーン付の巨漢ステーキです。こんな分厚いお肉、焼けないじゃない、胃もたれする、なんて思われるかも。しかし、ステーキに使われる牛肉は、赤身がほとんどの健康的なお肉。
表面をサッと高温で焼き、中に赤身と肉汁をギュッと封じ込め、塩とコショウの味付けだけで、その旨みをほおばるのです。
噛めば噛むほど、おいしさが開拓される。そんな野生心あふれるステーキ。

さて、この肉の塊を焼くには、ご家庭でも炭火が必要です。


我が家では炭火起こしも調理もTボーンステーキの大ファンを名乗る、義父が担当。
他の家庭料理が一切出来なくても、テレビでステーキの焼き方が紹介されると必ずメモを取る、という熱心さ。義父流の火起こしは、庭に落ちる松ぼっくりも登場。何でも、松ヤ二が点火を助長してくれるとか。

そして炭の投入。炭は予め、湿気を取り除いておくのが、高温のコツ。しかし炭を入れたからと、そこでお肉を焼き始めるのは早合点。じっくり待ち、炭から灰がモンモンと舞い上がる高熱まで炭火とグリルを熱するのです。こうして、外はカラリと焼け、中は旨みいっぱいのフィレンツェ風Tボーンステーキが出来上がり。

出来立てのフィレンツェ風Tボーンステーキの食べ方は、貴方次第。
ナイフとフォークで食べた後は、素敵なお姉さんでも、石器時代の様に骨を手づかみでどうぞ。

食べる準備、出来ていますか!

以上は家庭でのTボーンステーキ奮闘記でしたが、このメニューを専門に扱うお店では、鉄鋼所の様な巨大な炭火網にて、お肉を知り尽くしたシェフの強腕で焼かれます。
どうです、お腹は空いてきましたか?

2006年6月3日
Photo & text by福井エリナ