2006.November

■イタリア情報 mail from Italy #14
〜 チョコラータ カルダ、魔性の味 〜

とうとう冬の季節になった、モデナの街。
曇り空の毎日が続き、野外で写真撮影をしても今ひとつ。
こんな理由もあり、トピックスの話題が食べ物となっておりますこと、皆さまお許しください。今回も、食べ物です。

寒くなると、街のバール(コーヒーやお酒がサーブされる喫茶店)では、暖かい飲み物に人気が出ます。夏の間は誰も目に留めなかった、ホットレモンティー、ハーブティー、そしてチョコラータ カルダ。
後者のチョコラータ カルダは日本語にしてホットココア。まず、サラサラとし

た液状ではありません。あんかけの様でスプーンですくうと、ぽってりと落ちてゆきます。そして、味はチョコレートそのまま。とても濃厚で、お店の配合により若干ミルクチョコレート寄り、ビターチョコレート寄りの味があります。

お好みで、上にホイップクリームを乗せることも。あつあつのチョコラータ カルダで力失い、とろけ始めるクリーム。それを口に含ませたら、「ああ、冬っていい季節」と魔性の味に支配される瞬間。

しかし、ケーキ・焼き菓子店のバールに行くと、本物のビターチョコレートをふんだんに使った、大人限定のような苦味と甘さが共存するチョコラータ カルダがあります。

口にした時の滑らかさ、舌を交差する闇の苦味と甘みの光。
その黒い、ダークチョコレート色のチョコラータ カルダ。
実は魔物が纏う、上品なサテンのマントなのかもしれません…。

この先、冬のイタリアを旅行されるチョコレート好きの方、一度お試しください。
きっと魔物が奏でる、冬の歌が聞こえるはずです。

2006年11月28日
Photo & text by福井エリナ


■イタリア情報 mail from Italy #13
〜 ロボ 〜

イタリアでロボ(ボにアクセント↑が付きます)と言えば、ロボットのこと。
人によっては「日本のロボットアニメを見ていたよ」なんて答えが返ってきますが、イタリアの台所でもこの「ロボ」は大活躍。キッチンで働くロボット…?
ご想像がつきますでしょうか。そう、フードプロセッサーのことを指すのです。

イタリア家庭で主流なフードプロセッサーは刻み・攪拌・おろし、などが付いた上にミキサーも付いた、多機能タイプ。これがなかなかの大場所取りで、運ぶには両手で抱え「よっこらしょ」のサイズ。少し前までは、キッチンの景観ぶち壊しになるプラスチックなデザインばかりなのが、最近では収納性良いスリムタイプや、機能が増えたモデルも登場するようになりました。

電子レンジと共に文明の器具な、フードプロセッサー。イタリア全ての人に歓迎されているかと思うと、そうでない部分もあります。例えば、義母の友人の話。
その方のお父さんは、エミリア地方名物の自家製手打ちパスタが大好きでした。しかし、絶対手打ちでないと口にしないこだわり様。ちゃんと延べ棒を使って手打ちしているか、自分の目で確認するほど。フードプロセッサーでも生地は十分作れるのに「機械じゃ、味が異なる」と猛反発。それなのに、幾度も「手打ちパスタ」のリクエストを出すお父さんに、粉から調理をする家族も腕は痛むし、ヘトヘト…。

そこで編み出したのが、フードプロセッサーとパスタ伸ばし機の、コッソリ購入。
ヘソクリかの様に、器具2つは、家の奥深く秘密の場所へと隠し込まれたのです。

手打ちパスタの日は、母娘のヘソクリ連携プレー。お父さんが帰宅をされる前にフードプロセッサーで生地を捏ね、パスタ伸ばし機で伸ばした後、器具は秘密の隠し場所に帰還。
そして「今、帰ったぞー」と言うお父さんの前で、「あら、お父さんお帰んなさい」と出来上がった「半機械打ちパスタ」を平然に手打ちするという演出作戦でした。

この作戦は、大成功!「やっぱりタマゴ入りパスタは手打ちに限る」と、まんま長年に渡り美味しく食べ続けられたそうです。

寒い季節になると、ミネストローネ(イタリアの野菜スープ)や、トルテッリーニのブロードスープ仕立てがおいしく感じます。ここでも「ロボ」が活躍します。

2006年11月19日
Text by福井エリナ


■イタリア情報 mail from Italy #12
〜 FISHERMAN’S FRIEND 〜

風邪の予防が大切な時期となりました。
街を歩いていると、通り過ぎる人々からジューシーなカンキツ類の香りを頻繁に感じます。イタリアの皆さんも、積極的にみかんやオレンジのビタミンCを摂られているのでしょうね。

この季節、時々喉がイガイガもしますが、こんな時に登場するのが、”Fisherman’s Friend”という、キャンディー。甘い砂糖の優しい味とは程遠い、強烈ミント味を口・喉・鼻に炸裂させるキャンディーなのですが、初期イガイガを退治するのど飴として、愛用しています。
そもそも、1865年にイギリスはフリートウッドで生まれた、140年以上の歴史があるのど飴。北海で漁をする猟師たちの咳を和らげ、喉の痛み予防などをするために作られたそうです。イタリアでは大抵どこのタバコ屋さん、スーパー、ガソリンスタンドでもレジの近くで売られています。


5才以下のお子様には与えないで下さい、の注意書きが。
大人の味ですよ!

他にもレモンやチェリー味もあるようなのですが、私はまだ、どこでも良く見かける一番オーソドックスな「エクストラ ストロング」しか食べてみたことがありません。
粒ですが、お世辞にも「キャンディー」と呼べるような可愛い姿ではありません。色は薬草の色と言いますか、動物のエサの様な色・・・。
そして、独特なちょっぴり甘い薬草ベースの香りが漂います。
日本だと、湿布薬の匂いに似ているかもしれません。

フィッシャマンズ フレンドが他のミント系のキャンディーと異なる点は、
ミントの味だけでなく、ほのかに甘さもあり、辛くないこと。味と香りに含まれるスースー感が口、喉、鼻に開放感を与えてくれること。
何が入っているのかと原料の記載を見たら、甘草、ミント、ユーカリオイル、トウガラシエキス、と喉に良いと言われる物ばかりでした。

日本でもソニープラザにて購入が可能だそうです。冬の季節、のど飴に必ずお世話になる方、一度お試しになってはどうでしょう。

2006年11月14日
Photo & text by福井エリナ


■イタリア情報 mail from Italy #11
〜 広告も美味しそう 〜

少しの間、モデナを留守にしていました。
戻ってみると、季節が変わったモデナがそこにありました。
夏の間は緑を茂らせていた木々も、カサカサと秋の音を立てながら舞い落ち、
ドングリが歩道を行く人々を楽しませる時へとなっていました。

しかしもう1つ、留守にした後に待っていたのは、生鮮品等の確保。
朝食に欠かせない牛乳を始め、数々の品が、冷蔵庫も空っぽ。
いざ、広告を片手にスーパーへ買出しに。ここイタリアでは、お買い得商品が掲載される広告は、家庭のポストまで定期的に届けられる仕組みなのです。

種類も、スーパーの生鮮品・生活用品、日曜大工、電化製品、不動産、家具(日本で話題のIKEAもカタログが届きます)、近くに新しく出来た宅配ピザ店のメニューなど。
その他、保健所ニュースなども届きますし、時々、「新装開店、インド料理専門店!」な広告も届きます。一度、「開店、日本食テイクアウト!寿司お持ち帰り出来ます」も届きましたが、お味のほうはまだ試していません。いかがなのでしょうか。

けれども今回は、スーパーの広告に注目です。どの広告も見ていると、ページ数が多く、日本の広告より商品写真が大きく、実に迫力がある見ごたえです。
例えば、お肉はまな板の上にドン、と盛り付けられた状態。日本のしゃぶしゃぶ用お肉もビックリな塊肉ですが、美味しいローストに変身します。
海鮮品も同等な扱いで、魚は魚らしく、分かりやすいメッセージが伝わってきます。

デリカッセンの商品レイアウト、こちらもいかに美味しく見せるかがポイントの様。ハムのお花模様の盛り付けは、ホームパーティーなどで応用が出来そうです。また、箱入り商品も、間違わないような考慮がされたレイアウト。
商品名を覚えていなくても柄を見ただけで「コレ、コレ」と分かる、助かりますね。

今は11月で、祝事が少ない時期ですが、これが12月のクリスマスが近くなると、どこのショッピングセンターの広告もプレゼント特集と、聖夜と翌日のお食事の材料特集で盛りだくさん。その、先の先行く季節感に、のんびりしている私たちが驚かされてしまう始末です。皆さんは今年の秋と冬、どう過ごされる予定ですか。

2006年11月2日
Photo & text by福井エリナ