2007.April

■イタリア情報 mail from Italy #28
〜 お食事中の方は後で 〜

前に、新聞のコラムにて「我がイタリアのトイレは海外旅行より恐ろしい」たる話題を読み、その着眼点に大笑いした覚えがあります。

その編集者の訴えは、イタリアのトイレの使用方法が多すぎる事。
建物は古く、デザインの国。便座や洗面器の形の違いは当然、戸惑うのは「何を操作すると水が出る」など使い方。どれも異なり、ある物はペダルを踏む(温水、冷水、2つも長いペダルが生えている)、小さなレバーをひねる、手をかざす、ボタンを強く押す…(時に、怪獣並みの力で押す必要も)。自分が生まれ育った国で母国語も分かる、しかしトイレに入ると「異なる使用方法」把握のために、時に海外の異文化旅行で起きる「焦り」を感じる。皆は不自由ないだろうか、というのです。

話は変わり、先日ある企業にて、お手洗いをお借りした際。
空間を広く取り、企業カラーを用いた落ち着いた内装。洗面器も洋式便座も、輸入品ショールームにあるようなデザイナーの物。しかし便座の隅に普段、見慣れない物が。ホースが伸びた先、シャワーにしては随分小ぶりな物が付いています。

これは多目的トイレかと再度見渡したもの、ミニマルデザインに多目的な実用性はあまり見られず。掃除用にしては違う感じがする、何だろうと思っていたら「あっ」と予想が付きました。
こちらの企業には、遠方アラブ圏よりもお客様がいらっしゃる事。
宗教上、紙を使わず、水を使う方たちへの配慮ではないかと。

この時、宗教・文化も配慮をした企業の姿勢に、これからイタリアがより必要とする「相手へのサービス」の大切さを1つ、静かに見せてくれたのではと考えさせられました。

今回のメールトピックス、前回の物産展より全く正反対の話題になりましたこと、失礼いたします。来週もお楽しみに。

2007年4月23日
Text by福井エリナ


■イタリア情報 mail from Italy #27
〜 来たる、物産展 〜

「○×県物産展」、「全国駅弁まつり」、お腹がキュウと鳴り、頭に色鮮やかな食べ物が浮かび出す、魔法の言葉。

本物の果物に見える、
マジパンのお菓子。
大きさは皆、日本のお饅頭と
同じ手乗りサイズ。
こんなにぎっしり。
オリーブ入りパン。
イタリアも地方の物産展が行われ、普段は目にしない地方の名産・珍品が屋台の下に並びます。

今回、足を運んだ物産展は「シチリア大特産祭り」。
シチリア島の食べ物、お酒、お菓子、パンの販売、ダンスや操り人形劇まで見せてくれる催し物。イタリアというと、パスタやピザが知られますが、実際には地方色が今でも強い国。屋台の下に並べられた商品はどれも、太陽を想像させる色鮮やかさ。

ダンスはシチリアの伝統衣類に身を包んだ方々が披露。踊っている間、歌を歌い続け、ステップも細かく踏みっぱなし。暑い日であったのに、休む暇も無く踊る源、一体どこから来るのでしょう。


ありました、ヤギ乳チーズ。
お菓子に使えるドライフルーツ

今回のお目当ては、ヤギ乳チーズ。トマトがベースな、軽い味のパスタに使います。予想通り、チーズは屋台で売られており、お兄さんに尋ねると、「ボクのおすすめはコレ」と見せてくれたのが、黒コショウの粒がぎっしり詰まったヤギ乳チーズ。南イタリアは辛い料理が多い土地ですが、これには勘弁。普通のヤギ乳チーズを分けてもらいました。普段見慣れない極彩色の食べ物たちに出会う、目の保養な、楽しい午後でした。

皆さんのお近くでも、イタリア物産展が開催の際は、是非に足を運んでみてくださいね。

2007年4月17日
Photo & text by福井エリナ


■イタリア情報 mail from Italy #26
〜 ここにサクラあります 〜

散策が気持ち良い春のイタリア、少し足を伸ばすだけで、日本に縁がある植物があちこちに見られます。

代表的なのが、桜。こちらではサクランボの木で知られますが、八重桜もお家の庭等にあります。大きな物では、日本の物にも負けない「昔々、あるところに…」な迫力。

しかし、ここでの反響はボチボチ。「1年に1度しか咲かないのに、雨が降ると花がすぐに散るとは何だ」、「花びらがウチの庭にまで飛んで掃除が大変」など、心がとザクザク細切れになる非常に辛口な評価。
けれども、日本では桜の下で食べや踊れやと昼

でも夜でも花見を祝い、しまいには葉っぱまで食べてしまいますから、これはこれでイタリアの方もびっくりでしょう。

近所のお家は、立派な八重桜の木。
持ち主さんに聞いたところ、やっぱりご自慢の日本の品種だそう。
毎年楽しみだと伝えたら「じゃあ」と
大きな枝をボキリと折ってお土産に持たせてくれました。

柳の木も、春になると新芽が出て、そのユニークな存在が顕わとなります。こちらもイタリアではいろいろな意見が。「枝垂れ方が悲しい」、「泣いているみたい」。どちらも、怪談に共通する意見ですね。

イタリアにて日本の物は年々注目され続けています。
街も、日本のクルマが多いこと。美容に敏感な女性が求むクリームは日本製。エキゾチックな旅行といえば、日本旅行。
2006年には、夏目漱石の「我輩は猫である」も伊訳されました。
すでに、日本に興味を持つイタリアの方たちの人気書籍。
日本の優れた文化が海外に広まる、嬉しい限りです。

2007年4月10日
Photo & text by福井エリナ


■イタリア情報 mail from Italy #25
〜 午後のお茶 〜

イタリアでは、お茶が静かな人気を得ています。
元々、ハーブティーはイタリアの生活に欠かせませんが、世界のお茶も健康に良いと紹介された後、近年には紅茶の銘柄、緑茶、フレーバーティーの種類が豊富になりました。

場所は変わり、モデナから約30キロ離れた山里の週末。
道にはまだ残り雪が。外気温が下がった夕方、一軒のバール(カフェ)にて、冷えた体に暖かい紅茶を注文。大抵、ここでレモンティーが出て来るのが通常ですが、返ってきた言葉が「紅茶もハーブティーも世界のお茶もあるから、メニューから1つ選んでね」。
こんな事はモデナ近辺のバールでは頻繁に遭遇することではなく、
一杯のお茶にふらっと立ち寄ったのが、意外な展開。

メニューを開くと、48種類ものお茶が。沢山の色鉛筆から一番好きな1色を選ぶ感覚。紅茶も銘柄別となり、日本茶は無い代わり、レモンやピーチ味のグリーンティーがありました。
そして、ムニャムニャ四苦八苦をして選んだお茶は4種類。
そこから欠品の物など、たどり着いた午後のお茶は第4候補のジャスミンティーに。

古く伝わる山の清水がある里にだけ、お茶の味もまろやかで格別。
冷え切った体も温まり華やいで、気分も上々です。
しかし、まだこのお茶のメニュー、他にも挑戦したい味があります。
午後の一服にエスプレッソもイタリアらしいですが、春を感じつつある今の時期は、薫り高いフレーバーティーをゆっくりと頂きたい気分です。

メニューから記憶に残っているお茶:
 ・ アーモンド フレーバーティー 
  名の通り、アーモンドの香りがするそうです。
 ・ エジプシャン フラワーティー 
  リラックスに良い、エジプトの花を集めたハーブティーとか。
  名称からすでに神秘的で、効能がありそう。
 ・ グリーンアールグレイ
   どんな味でしょうか。夏に合う、爽快な感じが。

 

2007年4月3日
Photo & text by福井エリナ