2008.January

■イタリア情報 mail from Italy #51
〜 ゴミ問題 〜


ここのところ、毎日ニュースがナポリのゴミ問題を取り上げています。
実のところ、あまり披露したくない話題であり、心中で揺れ動きましたが、もはや長期化、海外の通信社も現地入り。
書けるまで、書いてみます。

ナポリから600Km北上したモデナはゴミが溢れる様子もなく、鳩たちがのんびり街を徘徊し、大聖堂の塔修復を巡り論議がされる日々。しかしナポリのゴミが北イタリアの各地で処理が決定後、モデナにも約3000トン、処理に運ばれることに。これは一時的な回避策として、運び込まれるゴミは資源別収集もされていない模様です。

ここまでお読みになられた方は「じゃあ、どう運ぶのだ」と疑問に沸いていることでしょう。ゴミは、トラックで運ばれるのです。渋滞が回避出来るコンテナ貨物で運ばれず、トラックで、高速道路を北上しながらやって来る順序。想像だけで、ものすごい経費ですよね。参考に上げると、2004年イタリア国内貨物輸送はトンベースにするとトラックが65.3%。陸送に頼るイタリアへ、改善が必要な高速道路へ、国全体の生活を巻き込み、さらなる負担となります。

そこで、このナポリのゴミ問題。南イタリアのインフラ整備の遅れや生活習慣の通り、これも南イタリアだから・・・、と思いがちですが、一歩留まってみる必要があります。ナポリには、自然が残してくれた景観の他に、世界の要人達もうんと言わしめる職人達がいます。要人の方達を、プロフェッショナルな場所で引き立たせる物たちが、ナポリに根付く手仕事から生まれるのです。しかしこれらの工房もとうとう、店先に山積みなゴミの悪臭により、一時閉店をする決意にまで追い込まれました。

顧客を世界中に持つ名人の彼らとしては、職人であり続け、自らの手を動かし続けるのが名誉でもあるでしょう。それを街にゴミが溢れるのを恥じ、自分達で決めた閉店は、何よりの屈辱であったことか。
彼らとして最大で最後の手段、静かなる抵抗として、全世界に訴えているようでなりません。

2008年1月29日
Text by 福井エリナ


■イタリア情報 mail from Italy #50
〜 スーツケースに山盛り詰め込んで 〜


皆さんが海外に滞在された時、普段慣れ親しんだ日本の味や物が周りに見当たらず、恋しさや不便さを感じたこと、1度はあると思います。これがイタリアの人達となると、一体どうなるのでしょう。

年末12月から翌年1月にかけ、イタリアも帰省シーズン。
これに同じく、私もアメリカ在住イタリア夫婦に再会。その時に見せてもらったのが「奥さんのお買い物リスト」。アメリカ西海岸、今やイタリア食材は豊富になっても、無い物は無い。そのため彼らも帰省の時期を利用して、イタリアの物をトランク一杯に詰めてアメリカに帰国されるのです。私もやはり、これは譲れないという郷土の品がある1人。この動機はひしひしと理解が出来るのです・・・。

彼女のリストには、イタリアの食材、リキュールを始め、製菓用イースト、シミ抜き洗剤、靴磨きワックス・・・たる意外性ある物も。これらアメリカにもありそうな物を、夫婦2人で汗水流して持って行く理由を演説並の熱心さで説く始末。ああ、人の使い慣れた品へ想うこだわり観は小宇宙の様で、時にくだらなく面白いと、お腹が捩れて痛くなってしまう位、大爆笑な一晩でした。
(彼女談:イタリアのシミ抜き洗剤は、アメリカの物より落ちるの!)

そこで、ここは本に関するサイト。この話題に関連して、遠藤周作氏が以前に書かれた言葉を引き出してみます。遠藤氏の著書で何度か触れていらっしゃるのですが、自身が強く勧められるのは、海外旅行の際に単行本を数冊購入(*1)。機内で読んだ後は旅先にて、その土地で勉強生活に挑んでいる邦人留学生などに本を譲り渡してくること。私も大人だから出来る、素敵で粋なアイデアと同感していますが、皆さんもどうでしょう?

2008年1月14日
Text by 福井エリナ

 *1 講談社文庫 遠藤周作著 「周作塾 読んでもタメにならないエッセイ」
    にも出て来ますヨ。


■イタリア情報 mail from Italy #49
〜 イタリアの年越し−実況中継もしてみました 〜


2008年、迎春。今年も宜しくお願い申し上げます。
日本では、雪のお正月を迎えられた地域もあったそうですね。貴重な時間を利用して雪の中帰省をされた方は、本当にお疲れさまです。モデナも新年3日より積雪。今も窓から、針葉樹に掛かる雪の静寂さを、絵画の様に見ながら筆を進めています。

画像 2008年の第一便は、イタリアの年越し模様をどうぞ。イタリアの年越しは友人とチェノーネという「大晦日の夕食」を囲み、各自好みのスタイルで過ごすのが一般的。それでも新年に関する風習はしっかり残っており、数を挙げると日本同様、限りがなく思われます。
画像

今回はピッツェリアを経営する友人が仲間内でチェノーネを行う情報を入手。そこで私たちも仲間に入れさせてもらいました。お店への集合時間は普段でも夕食には遅い9時半。さっそく長い夜の始まりです。

写真 写真
ピザ職人君が準備したチェノーネのメニューは、以下の通り。
  ・パスタ3種(肉系ソース、野菜系ソース、トマトソース)
  ・
ザンポーネのレンズ豆寄せ(以下、触れますヨ)
  ・1メートルピザ、各種
  ・デザートにパンドーロ(濃厚な焼き菓子)
  ・スプマンテ(発泡ワイン)
  ・コーヒー/食後酒にリモンチェッロ(レモンリキュール)

写真 写真
以上の中で、ザンポーネはチェノーネの必需品。
年に数度だけ食す、おせち料理的な食べ物。しかも、このザンポーネは豚の足に肉の詰め物をした、モデナご自慢の特産品。イタリアの正月料理に欠かせない物を地元で作っていると、モデナっ子は誰でも誇りに思っている一品なのです。
一方、お皿いっぱい敷き詰められた物は、お豆。レンズ豆と言い、平たい形がお金を連想。これも、お金に困らないようにと昔の風習が継がれる、おめでたい食べ物です。

写真
さてピザも着々とお腹に収まったところで、0時近し。新年と同時にスプマンテのコルクを抜くために、皆がソワソワ。カウントダウンを始め、2008年を迎えると乾杯!
2008年0時の瞬間!


年が変われば、爆竹や花火が飛び交い、度肝抜かれる騒々しさ。中世の時代は邪悪を払うため、バチバチと火の粉を飛ばしていたのが、今や花火をドーンと打ち上げ、空を新年歓迎の色で染める風習へと変わっています。
画像
画像

と、ここまでは年越しの実況中継も重ねたリポート。
しかし現代イタリアの本音が語る「新年」は、冬季衣料品等のセールかも。早い地域では、早速1月2日がセール解禁日。冷え切った早朝から有名メゾン等ショップ前に、ご婦人たちの行列が出来ていたというのですから・・・。

2008年1月3日
Text & Photo by 福井エリナ