最近、しばらく会っていなかった友人と再会しました。
この友人、壮年のイメージそのままの男性で、職場で豊富な経験をしていることから、私がイタリアという国を無駄無く理解していくには、貴重でとてもありがたい存在です。
前から会う度に定年退職について触れており、仕事はあれからどうしたのだろうか、私の元気な姿も見せなくては・・・。と、気に留めていた矢先、モデナの目抜き通りでバッタリ遭遇。
すれ違い様に、お互い顔を180度回転させて「あれーっ!」
その場ではちょっと立ち話をして、また近況報告に後日会おうとなったのです。
それから後日、バールでエスプレッソとお菓子をつまみながら話は進み、お互いの家庭の事、健康の話、何でも食べて飲むこと、定年退職を早めた決意など、話は多彩に進みました。
友人の正確な年齢は覚えていませんが、60歳は迎えていないため、リタイア組としては若い世代に部類するはず。部下たちからも常に頼られていた、味ある「いい上司」だったはずなのに、なぜ?
そんな一歩早い定年退職の理由を私から聞かなくても、友人自らが進んで細部まで説明をしてくれました。
それは、大切な奥さんの健康管理のため。月に数度、重い頭痛で寝込んでしまう奥さんのために、彼女の手と足となることにしたのです。
「俺は何をどれだけ食べても飲んでも平気だけど、夫婦2人揃って穏やかに過ごすことが出来なかったら、先はいいリタイア生活にならないよ」
しかし、まだ働ける体力の持ち主。けれどもシルバー雇用な契約型に切り替えると、今の年金額から月500ユーロ減額。息子さんも1人暮らしを始めて、自分自身が健康なうちにやれることはやろうと、奥さんのためにと意志を固めたとか。
話の途中、小さな仕草に職場への恋しさを感じているような表情も見受けられましたが、それはほんの1、2秒のこと。
以前会った時に比べると、つっかえ棒が取れたような清清しさで、表情に暖かみが増したよう。今までと異なる、新しい春を迎えようとしているのが分かりました。
|