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■メール・フロム・ニューヨーク #16
日本への一時帰国もあっという間に終わり、日曜日にニューヨークに戻ってきた。大停電(英語ではブラックアウトと言う)の様子が気になっていたが、飛行機も無事着陸したし問題なくアパートに到着できた。
翌日、アパートを一歩出るとウゥッ…とくる生ゴミの悪臭。大停電と週末が重なって、ゴミ置き場には生ゴミが山ほど置かれそこらじゅうにコーヒー色の液体が流れ出していて、ハエはブンブン飛びまくっているし大変なことになっていた。地域によっては30時間も電気が止まってしまったわけだからデリやレストランの冷蔵庫に入っていた食材は殆どがだめになってしまったらしい。清掃局の人だけでなくレストランの従業員までもが黒いビニールのゴミ袋をエッサエッサとトラックに投げ込んでいる姿は、食材のダメージを物語っていた。朝のニュース番組では、すっかり電気が戻った後で冷蔵庫のものを食べてお腹を壊して病院に駆け込んでいる人も多いと注意を促していたのを思い出した。おっとあぶない、私も危うく卵を食べるところだった。もったいないが卵4個を処分。
インターン先の会社に着くと、やはり最初の話題は大停電について。木曜日は電車も走っていなかったので社内に泊まった人が3人もいたそうだ。「それは大変でしたねぇ…」とお慰めの言葉の後に続くハズの"大変だった話"を期待していたのだが、彼らの口から出てくる言葉といえば「近くのバーではキャンドルの灯だけでイイ雰囲気でね、また飲みすぎちゃいましたよ〜」とか、「ユニオンスクエアーでは若者達がギターで弾き語りをしていて、まるでウッドストックのヒッピーみたいに夜通し盛り上がっちゃっんだよ」とか、「パソコンも携帯電話も使えなかったけど、その代わり日が沈むまで窓辺でゆっくりと本が読めて、その後は真っ暗闇でぐっすり寝ちゃいました…」とか、「アパート屋上のバーべキューコンロでバーベキューして、朝はコンロでコーヒー沸かしたり、やっぱガスコンロはこんな時も超お役立ちってカンジ!」とか、皆様かなり大停電を楽しんでいた様子。トドメに上司からは「直子は楽しいイベントを逃しちゃったね!」なんて明るく言われて、ああ悔しい。ホント心配して損した!
確かに今回の大停電は9・11のように犠牲者が出たわけではない。ちょっと生活に不便も出たが、それを決してネガティブに考えないで楽しいイベントにしてしまうところがニューヨーカーの良いところと言うか、タフさと言うか、ただのお祭り好きと言うか。そんなところに改めて関心してしまった。
August 19. 2003
前田直子
P.S. この大停電で心配をしてメールを下さった皆様、本当にありがとうござい
ました。 直子は元気にやってます。(笑)
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