2003.May

■メール・フロム・ニューヨーク #8

 
健康に気を遣うニューヨーカーの間では、ヘルシー志向の一環として禁煙の動きが盛んだ。マンハッタンでタバコを購入すると1箱6〜7ドルと高い税率が加えられ、数週間前からは特別な許可が無い限りバーですら喫煙は違法となったばかり。タバコを吸うには店の外に出なければならないので人気バーの入り口付近にはタバコを銜えた人々で溢れ、夜空のもと店内とは違った雰囲気の"路上社交場"をつくり出している。
 私はタバコを吸わないけれど、突然法律が変わって喫煙者がどんどん追いやられてしまうのは不憫だな〜と思っていたが、路上社交場をウォッチングしてみるとそれはそれでみんな楽しんでいるようだ。「ちょっと火を貸してくれる?」なんて見知らぬ人に声をかけ、それから会話が盛り上がることもよく見られるし、スタバ(*)で声を掛けられる率よりも男女の出会い率は高いんじゃないか…なんても思ってしまう。喫煙者にとって雨の日でも外に出て一服しなければならないのは大変だけど、禁煙者はタバコの煙を気にしなくていいしこの法令が施行されてもお互い楽しくバーで過ごすことができている様子。
 だがこの禁煙法令、店側にとってはトラブルもあるよう。バーで飲んだ後になんとタバコを吸いに外に出る振りをしてそのまま飲み逃げしてしまう客が出てきているのだ。バーによっては、テーブルを担当していたウェイターが被害額を支払わなくてはならないところもあって、学生だったりすることも多い彼らにしてみれば痛い話。酔った勢いとは言え、禁煙法令の思わぬトラブルに店側も驚きの様子だ。

*日本でもお馴染みスターバックスのこと。
 私の周りにはスタバで出会ったという
 カップルが3組もいるほどで、出会いの
 場でもあったりする。

May 25. 2003
前田直子


■メール・フロム・ニューヨーク #7

 最近ケーブルテレビのオンデマンド・ムービーにすっかりはまっている。このオンデマンド・ムービーとは、見たいときにリストの中から好きな映画を選びそれがケーブルTVからデジタルで配信されるというもので、昨年末ぐらいから始まったケーブルTV会社の新サービスのこと。早送りや巻き戻し、一時停止もでき、タイトルもレンタルビデオ屋さんの新着コーナーに並んでいるような『8miles』や『ボーン・アイディンテティ』等からちょっと昔のタイトルまで約80タイトルから選択可能で、まさにレンタルビデオに行かなくてもいいレンタルビデオなのだ。1タイトル3.95ドルで購入したあと、24時間以内なら何度でも見ることができ、請求はケーブルTVの通常の請求書に乗っかってくる。ケーブル会社のサービスによってはアメリカで人気のチャンネルHBOのドラマシリーズ『Sex & City』『ソプラノ』等の過去のシリーズもまとめて無料で見ることができるのもサービスの一つ。アメリカのドラマは人気があると日本のドラマみたいに12話で完結することなく第60話…なんて永遠と続くものもあるので過去のものを見だすと結構大変だ。
 気付くとTVの前のソファーに座ってポテトチップスを喰らっている…いわゆる典型カウチポテトになっていた私。こんなところでアメリカンナイズされたくないよな…と先週末は反省モードに入っていた

May 18. 2003
前田直子


■メール・フロム・ニューヨーク #6

 週末『ギャング・オブ・ニューヨーク』をテーマとしたウォーキングツアーに出かけた。あのディカプリオ主演の映画をもとに、当時の歴史を歩きながら巡るツアーだ。1800年代半ば、アイルランドを中心に各国から多くの移民がマンハッタンにやってきた頃のネイティブと移民との戦いの話。ディカ様には全く興味ないけど、映画の中でバワリー・ボーイズと呼ばれたネイティブアメリカンギャングの粋な兄ちゃん(映画ではダニエル・ディ・ルイス演)と激しい戦いが行われたファイブ・ポイントという場所には興味津々。集合場所のマンハッタンの南、シティホール前には約100名もの人々が集まっていた。
 ガイドのカミール氏の説明によるとバワリー・ボーイズは映画どおり、はるばるやって来たアイルランド人から金を巻き上げでは、レンガで頭を殴って海に沈めたりとかなりひどかった様子。殆どの場所は行政関係の高層ビルに変わってしまっていて今では想像すら難しいほどだが、ギャングの本部と彼らの遊び場だったバワリー・シアターは今でも残っている。すっかりチャイナタウンのレストランに変わり果ててしまっているが、150年の歴史の間に変わらず建物がしっかりと残っているのも凄いことだ。

この辺りは今ではチャイナタウン。右の"金聖大酒楼"レストランがバワリー・シアター跡。2軒左隣の白い建物がギャングの本部ビル跡。ガイドのカミール氏はここにバーを開店するのが夢だそう。

 ここで悪人っぷりを発揮していたあのバワリー・ボーイズのリーダーも仲間とたむろっていたとカミール氏。…ってことは彼は実在したってこと!?このツアー一番の関心事にカミール氏は「イェース!」と答えて、なんと彼の写真まで見せてくれた。ギャングと言うよりは紳士に見えるのは、彼らのユニフォームであった黒いシルクのタキシードのせいか。

バワリー・ボーイズのギャング、ビル・プール氏は実在した!

 ツアーもクライマックス。いよいよ血なまぐさい戦いが頻繁に行われたファイブ・ポイントに。5つの道路が交差するため当時はファイブ・ポイントという名がついたことは映画でも紹介されていたが、案内された場所は中国人の老人がくつろいでいる憩いの公園だった。「ホントにここなの〜?」当時を物語る碑など一切無く、平和な空気が流れる公園にちょっと拍子抜けして思わず笑いが出てしまった。

当時この広場にはバーがあって、そこでタップダンスが生まれたとか。今は中国人の憩いの公園。

 2時間に渡るツアーはちょうどNYの歴史が見えてきた頃に終了。ちなみにこのツアーの参加費は12ドル。ギャングの様子を語るカミール氏の説明、映画の世界、そして現在の街並みと3つの時空を越えた歴史のトリップにしては格安の旅だった。

May 11. 2003
前田直子


■メール・フロム・ニューヨーク #5

 週末、暖かい陽気に誘われてマンハッタンの街を歩いていたら、突然ジューシーないい香りがしてきてストリート・フェアに出くわした。ストリート・フェアーとは"歩行者天国"のことで、この時期から夏にかけてマンハッタンのどこかでほぼ毎週開催されてブラブラと休日を楽しむ人で賑わうのだ。  道の両脇に並ぶ屋台は、ニューヨークに住む人種の数だけ様々だ。イルミネーション輝く派手な看板と渦巻きソーセージはイタリア、甘〜い香りを放っているクレープはフランス、ヘルシーな野菜春巻きを求めに行列しているのはタイ。焼きトウモロコシはやはりアメリカか?おっと、食べ物の屋台に集中してしまったが他にも盆栽や陶器、アフリカの楽器や家具、下着や枕、マッサージや新聞の定期購読までもがテントの下で販売されている。たまにニューヨークならではのアートな屋台も出現する。例えば、お菓子の空箱を使って名刺を作ってくれる屋台や、オモチャの虫をTシャツに組み込んだ個性的なTシャツ屋台はおそらくここでしか手に入らないだろう。

これが指パペットです♪↑

さて今日のストリート・フェアーでの買い物は…

●指パペット$2(1個1ドル。写真にも写ってます)
●ビーズのブレスレット$5
 (3個買うと$12だったけど…やっぱ3個買えばよかったかな!?)
●パット・タイと野菜春巻き$3(今日のランチ)
●ナテラチョコとバナナのクレープ$6(今日のデザート。意外と高かった!)

予定外のストリート・フェアーに衝動買いは付きもの。
それでもエンジョイした土曜日だった。

May 4. 2003
前田直子