2004.April

■メール・フロム・ニューヨーク #37

 卒業論文を提出して、ホッと一息。後は卒業式を待つのみ…と言いたいところですが、インターンシップのペーパーの締め切りも近づいているのでした。学生を卒業するまではやっぱりペーパー、ペーパーの毎日。早く脱出したいよぉぉぉ。

 さて、今回はこのインターンシップについて書いてみたいと思います。
 インターンシップは、学生のうちに学んでいることと関連する企業に入り仕事を経験するという制度で、コースの単位として認められます。私が通うニューヨーク大学出版学コースの場合、1週間に6−8時間働けば2単位、12-15時間だと4単位が認められます。インターンを始める直前に知ったのですが、単位になるということは大学側に授業料を支払わなくてはならないということ…。働くのに授業料を払うのかぁ…と多少のためらいもありましたが、やっぱり米国で働いてみたいという思いと、経験が欲しかったので、渋々と1,000ドル近くの授業料を納めに行きました。
 インターン先によっては時給が10ドルほど支払われることもありますが、"経験を積ませてもらう"ことになるため無給のところも沢山あります。私がインターンをしている社では、交通費とランチ代ぐらいの給料を先払いで頂くことができてラッキー!と、思ったのも束の間。もちろん学費として消えちゃいました…。
 インターン先は、出版学コースのイーメイルリストに登録すると、ほぼ毎日のように出版社からインターン募集や正社員募集などの情報が送られてくるので、それを見て希望の社や学びたい部署があればそこから選ぶこともできます。授業料を払っているせいか、コースのアドバイザーや教授に相談するとかなり親身になって情報を下さり、またこの相談の時点でインターン先でどんなことを学んでくるかのテーマもきちんと与えられます。
 会社によってはインターンをするのも競争率が高いようで、「タダで働くのに何十人もの順番待ちなのよ〜。」と、某ファッション系雑誌社を希望する女子学生が嘆いている姿を目にしたりもしました。それでも皆メゲずにインターンをしたい理由は、この経験が今後の履歴書を飾ることは間違いないことだし、インターンがきっかけで正社員に採用されるケースも多々見られるからなのです。
 さて、インターンの仕事というと"コピー取り"…なんてことが簡単に想像されますが、短期間なりにもきちんとしたテーマが大学側からは与えられるので、コピーばかりもしてられません。きちんとしたペーパーが書けるぐらいの仕事を得るには、インターン開始時にきちんと学びたいことをボスに伝えておくのがポイントのようです。最初はアタフタとする私でしたが、知りたいと思うこと(私のインターンのテーマは書籍販売のプロモーションやキャンペーン)をボスに話したら、それに合った仕事のサポートをすることができました。疑問に思ったことをボスに話すとオープンにきちんと教えてくれるので(売上げの数字までも)、「なるほど!」と思うことが多いのは事実。学生の立場を利用して、忙しいボスの時間の隙を見てはどんどん質問するのが、インターン先で学ぶコツかも知れません。

 おっと、インターンのペーパーの締め切りが近づいているんだった。ベンチ教授はペーパーには容赦なかったんだ。インターンで学んだこと――インターンノートを見直してみると10枚以上の内容が書けちゃいそうで、まとめるのが大変かも・・・ 。

April 25, 2004
前田直子


■メール・フロム・ニューヨーク #36

 キャホー。卒業論文、提出しました!本当に苦しかった、今学期は。でもまだ気は許せません。2週間後に成績が返ってくるまでは。前学期には3人もの人が落ちた…なんて噂も囁かれ、パスするまではやはり不安。でもまっ、なんとかなるか――。初夏のいい気候のせいか、ちょっと楽観気味な私。

 そもそも私がニューヨーク大学で学んでいる出版学とは、いったいどんなことなのか?簡単にご紹介しましょう。
 出版学コース(Master of Science in Publishing Program)は、ニューヨーク大学の中でもコンティニュイング・スタディ(生涯教育)という社会人向けのコースの一つに入っています。卒業までには38単位(1クラスが3単位)が必要で、履修後にはマスター(修士号)がもらえます。
 大学を卒業してすぐにこのコースに入学する人よりも、5〜6年の社会人としての経験を積んでから入学する人が多く、クラスメイトの大半は出版社に勤務してキャリアアップを目指す人か、あるいは出版界に転職をしたい人が多いようです。ちなみに学生の平均年齢は28歳。女性が75%を占めているというのも面白いですよね。約100名の学生数のうち、中国や台湾、日本、ギリシアやブルガリア、フランス、トルコからの留学生が20%を占めており、クラスの中で様々な国の訛りのある英語が飛び交っているのはニューヨーク大学の特徴でもあるかもしれません。
 クラスは毎日夜6時半〜8時50分までで、仕事帰りに授業を受けているのにも関わらず質問や意見が飛び交い、毎週のレポートは欠かさず…と、積極的な学生が多くて刺激的なのですが、私にとっては最後の学期まで追いつくのに必死でした。
 出版学コースでは、"出版ビジネスでいかにお金を儲けるか"を学ぶので、ジャーナリズムとは全く異なり、会計学(アカウンティング)や会社の中で人をどのようにマネージメントしていくか(マネージメント)、マーケティングなどが必須授業になっています。その後は雑誌コース、書籍コース、オンライン出版コースに専攻が別れ、それぞれ深く掘り下げてビジネスの違いなどを学んでいきます。
 ちなみにこのコースを終了するまでのコストですが、1単位は約1,000ドル。トータルで計算するとギョエッという金額。学生の中には、1学期分の学費を貯めてはクラスをとり、また仕事に専念し…と卒業までに4、5年かかる人も普通にいます。(留学生はビザの関係もあってフルタイムで受講しなくてはならないので約1年半で卒業する)ランダムハウスやコンデナスト社など大手の出版社になると、会社が学費をサポートする場合もあるようですが、ここ数年の不景気でそんな会社も減少気味なのが現状な様子。
 出版学コース専用のメーリングリストからは出版社でのインターンや社員の募集が毎日のように届くので、就職活動中の人はそこから応募して仕事をゲット…?…できるかどうかは、それぞれの実力と運にかかってくるのでしょうが、チャンスを掴む可能性が高いことは確か。

 さてさて、この出版学に興味を持たれた方は是非ココをクリックしてみて下さい。夏には約1ヶ月間の集中コースなんていうのもありますよ。Check it Out!

●ニューヨーク大学出版学コースウェブサイト
http://www.scps.nyu.edu/departments/department.jsp?deptId=14

April 18, 2004
前田直子