2004.February

■メール・フロム・ニューヨーク #34

 ニューヨークの人気デザイナー、マーク・ジェイコブスが、ニューヨークの上院議員ヒラリー・クリントンをモチーフにしたTシャツをデザインして話題を呼んでいます。

 ウェストビレッジにあるマーク・ジェイコブスの店のショーウィンドウには、ヒラリー議員の顔をモチーフにしたカラフルなアンディ・ウォーホル風のペイントがディスプレーされ、おやっと目を引く。店内には同じデザインのTシャツが販売されていて、赤やピンク、紫やブルーなどポップなカラーのTシャツには、ヒラリー議員が笑顔で微笑みかけているとは言え、なんだか可愛いく見えてしまう。  これは、ヒラリー議員を支援するための資金集めのキャンペーンの一つ。Tシャツはニューヨークのマーク・ジェイコブスのショップかヒラリー議員のウェブ
サイト「Friend of Hillary」(www.friendsofhillary.com)のみで購入できます。気になるお値段は半袖で55ドル。長袖で60ドル。

 でも、このTシャツは購入するものではないのです。正確に言うと、ヒラリー議員の政治活動を支援するために55ドル、あるいは60ドルを寄付することで、そのお礼にこのTシャツが貰えるという仕組みになっているのです。人気のファッションデザイナーがデザインしたTシャツが貰えるとは、政治資金を集めるには上手い方
法かもしれないけれど、マーク・ジェイコブスがターゲットとしている客層がこのTシャツを購入(いや、支援金寄付と言うべき?)して途端に政治に興味を持ち始めるか!?と言えばちょっと疑問。

 話題はそれだけに尽きず、ヒラリー議員は労働組合をサポートしているのに、このTシャツを作っているところは労働組合に入っていないだとかで、組合から「異議アリ!」とばかりにニュースにも流れていました。

 枚数に限りもあり、言ってみれば限定版なのだけれど、残念ながらアメリカに永住権がある人でないと購入できません。海外の人が政治活動金を支援しては違法になるそうですから。

 でもなんだか、手に入らないと分かると妙に欲しくなって来てしまうんですよね。(笑)

Fabruary 22, 2004
前田直子


■メール・フロム・ニューヨーク #33

 書店に行くとガイドブックの棚をチェックするのが好きなのだけれど、先日少し変わったガイドブック、じゃなくてガイド"CD"を見つけました。『サウンド・ウォーク』($12.00)と呼ばれるこのCDシリーズは、ニューヨークのトレンディなスポットや、そのエリアの歴史をCDを聴きながら巡ることができる、言ってみればCD版ウォーキングツアー。シリーズでタイムズ・スクエアーやチャイナタウンなどのエリアが選べるけれど、今回はアパートから歩いて10分のエリア、ローアー・イーストサイド版を購入。ニューヨークの街は少し暖かくなってきたし、早速ツアー開始!

(←)ローアー・イーストサイドは、マンハッタンの東側ダウンタウンに位置します。今はヒップなエリアとして知られていますが、以前はユダヤ人が多く住んでいる街だったので、それを象徴してかこのCDのジャケットにはグラフィーディ(壁の落書きアート)を背景にしたユダヤ人の写真が使われています。

(→)ジャケットを開くと、このエリアの地図が道順と共に書かれています。
 出発場所は、ロータスというクラブ。ちなみにこのツアーを開始するのにいい時間は夕方5時から11時の間だとか。どうやらナイトツアーだったよう。

 途中「バスケットやってかない?」とお兄ちゃんに誘われたり、ラウンジでパンクロックを聴いたり、ちょっと大声では話せないようなフフフッなお店に連れて行かれたり…っと、こんな感じでサウンド・ウォークは続きます。

(→)怪しいガイドだけではありません。このエリアに多く建つユダヤ人の歴史ある礼拝堂などの貴重なスポットもきちんと説明してくれます。

 このエリアはユダヤ人が離れて行った後、1980年ごろからドラック売人や売春婦が増えていき荒廃したエリアになっていったそう。ウィリアム・バロウズが、執筆のイン
スピレーションを得るために通っていたという"ドラッグ・ストア"なんていうガイドもあって、少しドキドキ。

 今では、ダウンタウンの若者が集まるラウンジやクラブ、カフェができて、すっかりトレンディな場所になっているのが信じられないくらい。地元のニューヨーカーすら誰もが想像できなかった急激な街の変化だそう。

(←)いつの間にか"カッツ・デリカテッセン"というユダヤ系デリレストランに案内されました。ここのパストラミサンドとピクルスは絶品なのです!アメリカに来て、初めてサンドイッチが美味しいと思ったお店です。パストラミをカブリつくと、カッツのオーナーがこの辺りの昔の商店街の様子を語り始めました。メガネ屋、スーツ屋など、商業が活発で安いお店が多いのは今でも変わらないようです。

 アレン・ギンズバーグの詩が耳から聴こえてきました。そういえば、このあたりは、ビートニックの詩人たちの溜まり場でもあったんですよね 。

 陽はすっかり沈み、そろそろ終点地。50分間あっという間のサウンド・ツアーでしたが充分満足。次はどのエリアのCDを買おうか…と、もうすでに次の予定まで考えています。一昔前まではポルノショップが立ち並んでいたと言うタイムズ・スクエアーも覗いてみたいし、中国人のパワーを知るにはチャイナタウンも歩いてみたいし、アーティストが集まるホットなエリアと噂されるダンボ(ブルックリン側のブルックリン橋のたもと)も興味深いし、動物園しか有名ではなかったと思うブロンクスのスポットも確認してみたいし…。うーん、どうやらこのサウンド・ウォークCDシリーズを全て集めることになりそうな予感が…。


サウンド・ウォークウェブサイトはこちらwww.soundwalk.com

Fabruary 16, 2004
前田直子


■メール・フロム・ニューヨーク #32

 数週間も氷点下が続いていたニューヨーク。でもここ数日の天気予報は40度を越え(摂氏に直すと4度ぐらい)、なんとなく暖かくなってきたような気もしますが、やはりまだまだ寒い!  寒いとついつい甘〜いチョコレートやココアが飲みたくなってしまうのですが、ニューヨークにきて私のお気に入り冬のドリンクになったのが、こちら…。

↑"ホット・スパイス・サイダー"なのです。これはアップルサイダーにシナモンやナツメグなどのスパイスを入れて、温めただけのシンプルな飲み物。甘さも控えめで、ジワジワと体の心から温まっていく冬ならではの飲み物です。

←アパート近くのトンプキンス・スクエア公園では、毎週日曜日に郊外の農家から野菜や果物がトラックで運ばれてきて、グリーンマーケットが開催されています。ホット・スパイス・サイダーはこの一角で販売されていて、ニューヨーカーは必ず立ち寄る、人気のコーナー。お値段は、小カップで1ドル、大カップで1.50ドルというお手頃価格。

←目の前にはボトルに入ったアップルサイダーと、取れたてのリンゴも販売。このアップルサイダーを買って、好みでシナモンなどのスパイスを加えて温めればホット・スパイス・サイダーの出来上がり。 以前、このアップルサイダーを買って冷蔵庫に入れっぱなしにしておいたら、いつの間にか発酵してリンゴのお酒に変わっていました。もちろん美味しく飲んじゃいましたけど。

Fabruary 10, 2004
前田直子