●ニューヨーク書店サバイバル#28
マンハッタンでの秋の読書イベント―Great Read in the Park

10月15日(日) ニューヨーク市立図書館の裏手のブライアント・パークでは、ニューヨークタイムズ紙主催のGreat Read in the Parkというブックイベントが開催されました。

公園内には6つのテントとステージが設けられ、文学賞受賞作家や、新人作家のリーディングやサイン会をはじめ、“書評がいかに本の販売を左右するか?書評家たちの本の選び方”、“マンハッタン上流社会の不動産マーケットの裏世界”など興味深い講演も各テント内で終日行われ、いずれも外まで立ち見客が溢れるほど賑わいを見せていました。


チェーンスーパーマーケットのターゲットがこのイベントのメインスポンサーとなり、子供向けイベントのステージを設けて、絵本作家やイラストレーターを招き読書会やトークイベントを行うのが毎年恒例となっています。ステージには、児童書『Noelle's Treasure Tale: A New Magically Mysterious Adventure』を出版したばかりのシンガーソングライター、グロリア・エステファンも登場し、これには子供たちばかりでなく大人たちも大注目。彼女の人気振りを改めて実感しました。


ステージの脇では、ターゲットのマスコット犬“スポットちゃん”(写真右)との記念撮影会が行われたり(無料)、イベントに登場した作家たちの書籍を中心とした販売テントを設けて児童書販売も実施。購入した児童書を、秋晴れの下さっそく芝生の上に寝転がって読んでいる親子連れなど、それぞれ日曜の午後を満喫している様子が目に留まりました。


公園内には、独立系書店ストランド書店も出店していました。

ストランド書店は、新刊書籍の安さ、そして古書、レア本の買取・販売でニューヨーカーには“18マイル書店”(店内にある書籍を並べると18マイル(約29キロ)になることから)のニックネームで知られるお馴染みの書店。このテントでは書籍の販売をしている様子が全くなくて、「あれっ?」と思い、ストランドのスタッフと、バックに入りきらないほどの古書を抱えてきた男性とのやり取りを観察していると、ここでは古書の価値の鑑定を無料で行っていることがわかりました。男性がバックから取り出した古書を2人のスタッフが1冊1冊吟味して、その本の買取価格を教えてくれます。

男性が持ってきた本の中には、ウィリアム・バロウズのサイン付き『Naked Lunch』(裸のランチ)なんぞも入っていて、そのお値段が気になり思わず耳を立てて聞いてみると$500という回答が。

このテント内ではあくまで買取価格を鑑定してくれるだけで買取はしていないので、そのままダウンタウンのストランド書店で買取を行ってもらうことになります。

(写真右)ストランド書店のトートバックは、安くて($4.95)オシャレと人気の商品。“STR本ND”と日本語を意識した新デザインも登場しました。

昨年のこのイベントでは、“古書のバック詰め放題”(25ドルで専用トートバックを購入し、そこに古書を詰められるだけ詰めて持って帰ることができるというイベント)というユニークな試みがされていましたが、今年はなぜかこのイベントが無くなってしまい、昨年に比べると“お祭り”的な感じがしなくなってしまったのが残念なところ。それでも子供から大人まで多くの人たちがこのイベントを楽しんでいるようでしたし、ここで得た本で読書の秋を満喫することは間違いないでしょう。

2006年10月16日  前田直子


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